韓経:【コラム】各国の国債金利が急騰…韓国、家計負債が爆弾になるか

  • 2018年1月22日

各国の国債金利が急騰している。今年に入り米国債10年物金利は25bp(1bp=0.01ポイント)急騰した。同じ期間にドイツと日本の国債金利もそれぞれ8bpと3bp上がった。韓国のような新興国の国債金利も上昇している。上昇速度で見るならば金融危機以降で最も速い。

国債金利が急騰したのは「マーキュリー」と表現される経済要因と「マース」と呼ばれる地政学的リスクが同時に改善されているためだ。各国の成長と物価上昇の流れが予想より速くなり、出口戦略が前倒しされる動きが明確だ。低金利のアンカー役をしてきた日本銀行が長期国債買い入れを減らすと明らかにしたのが代表的な例だ。

特に安保プレミアムが大きく作用する米国債金利はトランプ政権の国益優先主義により、中国や日本のような最大保有国が割合を減らす過程で上昇速度がさらに速くなった。連邦政府のシャットダウン(一時業務停止)も加勢した。同じ理由でドルは米国の景気が回復し証券市場も「ユーフォリア」という用語が出てくるほど活況だが下落している。

各国は慌てている。世界の負債が開いた口が塞がらないほど途轍もなく増えたためだ。今年初めに国際金融協会(IIF)が発表したグローバル負債観察報告書によると昨年9月末基準で世界の負債は233兆ドルに達することが明らかになった。世界の人口を76億人と仮定するならば1人当たり3万ドルに達する大きい規模だ。

世界の負債が急増した原因を公共と民間に分けて調べると、公共負債は「財政赤字貨幣化(fiscal debt monetization)」が主犯だ。当面の金融危機克服と低迷した景気を浮揚するためにひとまず中央銀行に売却して後で買い戻す方式(buy-back)で発行した国債が主に活用されたためだ。特に先進国が激しかった。

民間負債が増えたのは量的緩和により資金が多く放出された上に金利もゼロ水準(日本と欧州はマイナス)に低くなったためだ。それでも消費と投資が増えず、切羽詰まった政策当局(銀行も加勢)が企業と家計に負債(貸し付け)を推奨する雰囲気も一役買った。朴槿恵(パク・クネ)政権での「チョイノミクス」が代表的な例だ。

世界の負債はさらに増えると予想される。各国の景気が回復しても負債償還能力が大きく改善されないためだ。特に韓国のように銀行の利己主義まで重なり政策金利と市場金利よりも貸出金利が速く上がる国では国債金利上昇を契機に負債がまた別の負債を呼ぶ「らせん形悪循環局面」に陥る可能性が高い。

世界の負債が過度に多くなれば最も懸念される逆効果は「通貨政策伝達経路(transmission mechanism・通貨供給→金利下落→総需要増加→景気浮揚)」がまともに作動しなくなることだ。その結果金融と実体が別々に動く「二分法経済」に置かれ金融緩和をしても金融圏だけで回る現象が発生する。

財政政策も時差が長くなる。時差は政策立案から国会通過までの「内部(行政)時差」、政策確定後に効果が現れるまでの「外部(執行)時差」に区分される。有権者にとって最も敏感な負債が多くなれば内部時差が長くなる弊害がある。確定した財政政策も「構築効果(crowding out effect:公共支出増加が民間需要を萎縮させる現象)」で景気浮揚効果が半減する。

韓国は家計負債7大脆弱国に分類されている。国際決済銀行(BIS)が家計負債の健全性を評価する信用ギャップ(GDP比家計負債比率がホドリック・プレスコット・フィルターで求めた長期傾向から抜け出した程度)が3.1ポイントで注意(2ポイント未満が普通、2~10ポイントが注意、10ポイント以上が警告)段階だ。

負債返済能力を示す元利金償還負担率は7大脆弱国で最も高い。低所得層であるほど深刻だ。家計負債が多く低所得層であるほど負債償還能力が落ちる環境で国債金利上昇を契機に貸出金利がさらに上がれば貧富の格差が拡大する。相対所得仮説によると低所得層は高所得層より消費性向が高いので景気まで鈍化する懸念が高い。

昨年最後の金融通貨委員会会議で金利を引き上げたのが適切だったのかに対し遅れて批判が提起されるのもこのためだ。物価安定以外に江南(カンナム)の住宅価格抑制などの目的で金利を引き上げたり銀行の利己主義を抑えることができなければ地域別(江南と非江南圏)の住宅価格差別化と所得二極化を深め景気まで鈍化させる爆弾になる可能性が大きいという点に注目しなければならない。

ハン・サンチュン/客員論説委員