韓経:【コラム】「成長の終末?宇宙がある」=韓国

  • 2018年1月5日

昨年2学期にソウル大学工学部で開講された「技術経営意志決定論」の受講生100人に尋ねた。「経済学者ロバート・ゴードン氏が言った『米国の成長は終わった』という『成長終末論』をどう思うか」。大多数の学生が「産業革命後、この250年間の成長は特異なこと」というゴードン氏の主張に同意しないと答えた。デジタル革命、第4次産業革命に大きな期待をかけるなというゴードン氏の主張にも批判的だった。

工大生は産業革命の効果が現れるまでの時差を十分に考慮したのか、成長測定方法論上エラーはなかったのかなどの問題を提起したエリック・ブリニョルフソン氏に味方した。「今までのあらゆる悲観的展望は間違いだ」という経済史学者ジョエル・モキール氏を支持するとも言った。驚くべきなのは少なくない学生が「宇宙がある」と話した点だ。ゴードン氏がこれ以上出てこないといった「偉大な革新」が宇宙で起こるだろうということに一票を投じたのだ。

日本版ロバート・ゴードン、水野和夫氏は『資本主義の終焉と歴史の危機』で「『安いエネルギー』と『地理的市場』を軸にした資本主義のパーティーは終わった」と断言した。1970年代のエネルギー波動とベトナム戦敗北から限界に至った米国資本主義が「サイバー空間」、「金融空間」等で突破口を探したがそれぞれバブルにぶつかり、これ以上伸びていく余地がなくなったということだ。

しかし、水野氏が資本主義の終末の決定的証拠といった「長い低金利時代」は幕を下ろそうとしている。サイバー空間だけでも過去のドットコム・バブルをあざ笑うかのように人工知能(AI)で再武装して疾走し、宇宙との結合で新たなビッグバンを予告している。資本主義が水野氏が話した「見える地球」の限界を越えて「デジタル地球」、「地球の外の宇宙」という新しい空間に伸びていく様相だ。

大航海時代に最高航海技術を持つ国が世界を主導したということをよく知る米国が宇宙時代のリーダーシップをあきらめるわけがない。トランプ大統領の「科学予算大幅削減」にも議会が重心を維持し、航空宇宙局(NASA)は宇宙探査予算の確保に成功した。注目すべきは新宇宙活動法など世界で初めて商業宇宙開発を認めた「宇宙米国」の更なる進化だ。テスラのイーロン・マスク最高経営者(CEO)のスペースX、アマゾンのジェフ・ベゾスCEOのブルーオリジン、グーグルのプラネタリー・リソーシズなど「宇宙ベンチャー」が「ニュースペース」を開いている。

日本は宇宙政策を大きく変えた。安保目的の軍事利用を許容すると、宇宙を第4次産業革命を加速化させる「フロンティア産業」として宣言した。準天頂衛星「みちびき4号」発射の成功で世界で最も精密な独自の衛星航法システム(GPS)構築も目前にしている。このような流れの中に宇宙ベンチャーが次から次へと出現している。

「宇宙は大きな国でなければできない」という偏見も壊れつつある。世界最大の衛星運営会社に選ばれるSESを保有するルクセンブルクは宇宙資源探査および利用の「欧州ハブ」を夢見ている。もはや、大きな国、または政府独占の宇宙ではない。

どのみち韓国は政府の研究開発予算を宇宙にすべてつぎ込んでも米国を追いかけるのは手にあまる。予算のことばかり言っている場合ではない。宇宙が過去のように政府独占であれば追撃は困難だが、民間ベンチャーが宇宙市場のパイを育て、国際分業を触発すれば韓国にも「チャンスの道」が開かれる可能性がある。

マリアナ・マッツカートは『企業家としての国家』で国家の役割として「フロンティア開拓」について述べた。政府は「種」を撒き、企業は「市場」を作り出す形だ。この際、韓国航空宇宙研究院が政府出資研究所の垣根を越えて「宇宙ベンチャーのゆりかご」として再誕生するというのはどうか。

米国では文化であり宗教である「スターウォーズ」。この世界に流れるエネルギーや気、いわゆる「フォース」には光と闇の両面がある。ソウル大工学部生の「成長終末論」の否定は「光のフォース」というに値する。惜しくも文在寅政府が話す「革新成長」にはこのようなフォースがない。

アン・ヒョンシル/論説・専門委員、経営科学博士