韓経:日本を抜いて「有機EL装備1位」になった韓国の中小企業

  • 2017年12月21日

HLイルジャのソン・ウォン代表が牙山工場でスパッタ設備の模型を持ってスマートフォン用有機ELシステムを説明している。

忠清南道牙山市(チュンチョンナムド・アサンシ)の牙山テクノバレーにあるHLイルジャは本社の敷地3300平方メートルに110億ウォンをかけて第3工場を作っている。モバイル市場の好況で第1・第2工場で生産する量では需要に追いつかないためだ。同社のソン・ウォン代表は「第1~2工場で1年にスパッタ設備30台を生産したが来月第3工場が完工すれば48台まで生産できるシステムが備わる」と話した。

HLイルジャは有機ELディスプレー製造工程に使われるスパッタ設備を製造する。スパッタはスマートフォンの液晶に金属材料を均等に吹き付ける装備だ。90秒の短い時間の真空状態で一定の厚さで液晶に膜を形成する核心技術だ。これまでこの市場は日本企業が独占していた。

この会社は2007年の創業と同時に技術を国産化するための研究を始めた。同社関係者は「創業当時のディスプレー市場は液晶からスマートフォン用有機ELに投資されていたが、独自の技術力確保に出た企業はなかった」と説明した。

この会社は3年間の研究開発を通じ技術を開発した。2年間のテストを経て創業から5年で独自の技術を利用したスパッタ設備生産能力を確保した。この過程で2回の危機を経験したりもした。2012年に大企業に初めて納品したスパッタ設備の品質水準が需要先の基準を満たさなかった。供給中断の危機に社員らは100日間昼夜分かたず取り組んで問題を解決した。ユ・ファンギュ副社長は「2015年にディスプレー市場沈滞で財政が悪化したが人材と技術開発投資を減らさず原価節減を通じて危機を克服した。厳しい時にすべての社員が一致協力したおかげで輝かしい成長を成し遂げた」と話した。

この会社は2012年にサムスンディスプレーなど大企業が第5.5世代モバイル用有機EL量産に向けた投資に乗り出して成長を継続した。2012年にスパッタ設備を供給して得た67億ウォンの売り上げが今年は2200億ウォンを超える見通しだ。中国・蘇州などにある大企業にも輸出する。2013年から世界のスパッタ市場でシェア1位を維持している。

パク・ジョンフン経営支援本部長は「社員が日本の牽制の中でも独自技術を確保するために努力した。スパッタ設備のほか第8世代大型有機ELテレビ生産に必要なニッケルドッピングシステムも開発して関連設備を生産している」と紹介した。

この会社は全社員200人のうち70%が技術開発エンジニアだ。ディスプレー市場が要求する技術力を確保するためだ。利益の大部分は研究開発に再投資する。社員福祉のためにも惜しみなく投資する。ソン代表は「社員寮の無料提供、テーマ型社員住宅団地造成、家族海外旅行・学資金支援など差別化された福祉制度を運営している。住居・教育・育児など家庭生活に悩まず仕事に専念できる環境を作り社員の満足度が高い」と話した。