韓経:【コラム】第4次産業革命から送られた警告=韓国

  • 2017年11月24日

多くの人が第4次産業革命で雇用が減ると考えている。昨年の初めのダボス・フォーラムで第4次産業革命という話題を投げた世界経済フォーラム(WEF)のクラウス・シュワブ会長の展望が刻印されているからだ。シュワブ会長はダボス・フォーラムで「第4次産業革命により先進国など15カ国で2020年まで210万件の雇用が生まれるだろうが、710万件の雇用がなくなるだろう」と断言した。人工知能(AI)とロボットが人間の代わりになり、3年以内に500万件の雇用が消えるという話だ。第4次産業革命の話が出さえすれば雇用の心配からすることになった理由だ。

◇デジタル企業は「雇用の泉」

しかし、第4次産業革命が雇用を減らすどころか増やすとみる専門家も多い。歴代の産業革命の過程でも一時的には雇用が減ったが新産業の出現が新たな雇用をより多く作ったという経験則からだ。いま、第4次産業革命を主導している新技術企業だけ見てもそうだ。

第4次産業革命を先導して世界流通市場を掌握しつつあるアマゾンの従業員数はことし9月末現在54万1900人だ。昨年の同時期には30万人で1年間で24万人も増やした。韓国最大企業のサムスン電子の職員数9万9381人の5倍以上だ。ことし6月末基準で職員数が2万658人のフェイスブックも来年末まで安全・セキュリティー分野の職員だけで現在の1万人から2万人に増やす予定だ。2007年には150人余りに過ぎなかった同社の職員数はこの10年間で140倍近く増えた。

中国の電子商取引企業アリババは1999年17人で事業を始めて創業18年ぶりに5万人で職員を増やした。馬雲(ジャック・マー)会長は今年初めに米国のトランプ大統領に会い、米国だけで今後100万件の雇用を作ると豪語した。

さらに注目すべきことは第4次産業革命企業が創り出した雇用の総量ではなく特質だ。第4次産業革命はひとことで言うと全面的なデジタル化(digitalization)だ。人の行動、物の移動、サービス形態などすべての情報をデジタル化し、ビックデータに蓄積し、人工知能がこれを活用して新しい製品とサービスを作り出すのが第4次産業革命時代の基本的価値の鎖(value chain)だ。

そのためには単純労働者でなくハイスペックなデジタル人材が絶対的に必要だ。新しい知識と見解で問題を読み取り、新しいデジタル道具で創意的解決方法を見出すことのできる人材だ。フェイスブック職員の平均年俸が3億ウォン(約3000万円)台という事実がこれを物語っている。米国・カナダなど北米地域238都市がアマゾンの第2本社誘致競争に参加したのもこのような高級雇用を羨んでのことだ。アマゾンは第2本社だけで5万人を雇用する計画だ。

◇公共雇用を増やしている場合ではない

第4次産業革命に新たに開かれる製品とサービス市場を占める国家が高級デジタル雇用を先行獲得するのは当然だ。米国と中国が第4次産業革命時代の「デジタル覇権」をめぐり繰り広げる激しい競争も結局は雇用戦争とみなさなければならない。米国と中国が未来の雇用をめぐり銃声のしない戦争を行う間、韓国は何をしているのか。国民の税金で青年に公共雇用を分け与え、非正規職の正規職化で「保障」を増やし、最低賃金の引き上げと勤労時間の短縮で企業の雇用創出の足を引っ張るのは「神仙の遊びに斧の柄が腐ったことも気づかない木こり(「何かに夢中で時間が経つのも気づかない」という意味のことわざの引用)」ではないか。昨年、韓国内の製造業だけで雇用14万件が消えたという事実は第4次産業革命が韓国に送る強力な「警報」であることは間違いない。

チャ・ビョンソク編集局副局長