韓経:【社説】米国の「ネット中立性」廃止の動きが韓国に投じる課題

  • 2017年11月23日

米連邦通信委員会(FCC)のアジット・パイ委員長が、通信事業者がネットワークを利用するコンテンツやサービスを差別してはいけないという「ネット中立性の原則」を廃止する計画だと明らかにした。トランプ政権がネット中立性の遵守を強調したオバマ政権とは違い、急増するトラフィックを解決するにはコンテンツ事業者もネットワーク費用の一定部分を負担しなければいけないと主張したことを受けての措置だ。AT&Tなど通信事業者は歓迎したが、グーグルなどIT企業は反発している。来月のFCC全体会議でネット中立性の廃止が決定すれば、大きな波紋が広がる見込みだ。

トランプ政権はネット中立性の原則がその趣旨とは違い規制的な側面があるという点に注目した。ネット中立性規制が通信事業者の新規投資を減少させ、雇用創出の機会も奪ったという主張だ。至急の課題に浮上したネットワークの高度化が今回の措置の主な背景と推定できる。米国のこうした動きは韓国としても他人事でない。国内でも政府の「ネット中立性ガイドライン」をめぐり通信事業者、コンテンツ事業者など業界間の利害が相反する中、文在寅(ムン・ジェイン)政権がネット中立性を強化するという公約を提示したためだ。

しかしネット中立性は単に業界間の葛藤や公約レベルだけで見ることができない根本的な問題を抱えている。現在のようにデータトラフィックが急増する傾向を勘案すると、従来のネットワークがどこまで対応できるかという点だ。モノのインターネット、人工知能、ビッグデータなど第4次産業革命を考えれば特にそうだ。さらにグーグルなどグローバルIT企業までが国内のネットに「ただ乗り」する状況だ。ネットワーク投資は事業者が処理しろという形なら「コモンズの悲劇」になるのは時間の問題だ。トラフィック被害は全員に向かう。

しかも韓国の政界は通信料金まで引き下げるよう圧力を加えている。ネット中立性に強制的な通信料金引き下げが重なれば、第5世代通信ネットワークの構築どころか、ネットワーク荒廃化が早期に訪れるだろう。文在寅政権も未来を眺めてネット中立性規制を見直すべき時だ。通信事業者、コンテンツ事業者などが市場で合理的な費用分担案を見いだせるよう道を開かなければいけない。