韓経:年末のサムスン電子の人事が注目される理由

  • 2017年11月14日

先週初めと予想されていたサムスン電子の役員および非電子社長団の人事が遅れ、その原因と背景についてさまざまな見方が出ている。サムスン内部や他社だけでなく、官界、法曹界も注目している。「サムスンの人事は政官界の人事より注目を集める」という声が出るほどだ。

いくら大企業とはいえ一つの民間企業にすぎないサムスン人事がなぜこのように関心を集めることになったのか。まず、サムスン役員という肩書が持つ象徴性が挙げられる。特にアップルなどを抜いて世界最高の製造企業となったサムスン電子は昔も今も不動の韓国代表企業だ。サムスン電子の役員になるということはサラリーマンとして成功と出世の頂点に立つという意味を持つ。

昨年のサムスン電子役員の平均報酬は48億3700万ウォン(約4億9000万円)と、2位のGSリテール(30億500万ウォン)に比べ20億ウォンほど多かった。また常務以上になれば会社から中大型セダンが提供され、海外出張時は航空機のビジネスクラスも利用できる。ある経済団体の関係者は「サムスン電子の役員の名刺を持つというのは、その人物が韓国経済界のエリートとして公認されるという意味を持つ」と語った。

これは世界金融業界の最高峰のゴールドマンサックスのパートナー(共同経営者)と役員がウォールストリート職員の羨望の対象になるのと似ている。ブルームバーグ通信など米国有力メディアは9日、ゴールドマンサックスのマネジングディレクター(専務級)に昇進した509人の名簿をすべて公開した。毎年そのようにしている。今後ウォール街を引っ張っていくパワーエリートと認定するからだ。

登記役員と未登記役員を合わせて1054人にのぼるサムスン電子の役員数も注目される理由の一つだ。LGエレクトロニクス(313人)、SKハイニックス(158人)など電子業界の他社と比較して圧倒的に多い。このように多くの役員一人一人は幅広いネットワークを通じて経済界全般に人脈を形成している。購買、マーケティング側の役員が交代すれば、協力会社と流通業界の代表は一日も早く会おうと慌ただしく動き出す。

国内はもちろん海外も同じだ。技術側の役員は人工知能(AI)・ビッグデータなどの新しい流れを吸収するため、普段から学界など専門家グループとも活発に交流している。規制権を握る政府官僚との人脈も伝統的に多い方だ。法曹界は現実的な理由でサムスンの人事に関心を向ける。特に退職者の去就に注目する。

あるローファーム関係者は「サムスン電子法務チームの役員出身者は大抵の判事・検事よりも人脈が広く、主要法務法人の招聘候補筆頭」と伝えた。

サムスンの大規模な人事は、年末・年初の人事を準備中の他社の人事にも少なからず影響を与える。サムスンの人事がメディアの注目を受けるため、他社のオーナー、最高経営責任者(CEO)も自然に関心を持つしかない。例えば、今年サムスン電子が社長団退出の基準を「満60歳以上」にしたという報道があると、副社長、専務級にも年齢制限があるかどうかを問う企業が多いということだ。

人事後の組織改編方向も他社のベンチマーキング対象になる。「スピード経営」「権限委任」を標ぼうするサムスンの事業組織が産業界の流れに合わせてどう変わっていくかを見ることができるからだ。