韓経:中国事業たたんでUターンしたけれど…韓中間で進退両難の企業たち

  • 2017年10月30日

2013年、中国深センから京畿道広州に施設の一部を移転したエコ時計の工場で従業員が時計部品を製造している。スイスなど海外に大部分を輸出するこの会社は現在生産品の90%を韓国工場で生産している。(写真=エコ時計)

スリーエムなどグローバル企業に産業用安全手袋を納品してきたシンソンメジャーグローブは先月中国・青島で運営していた工場を閉鎖した。この5年間に中国の人件費が30%以上上がった上に原糸、化学製品など現地の原材料・副資材価格も急激に引き上げられたためだ。工場を運営していた青島地域で石炭ボイラーの使用を禁止し、ボイラー交換に莫大な費用がかかることになったのが工場閉鎖の決定的な契機になった。現在同社は中国で生産していた製品を全羅南道順天(チョンラナムド・スンチョン)の工場で生産している。「メイド・イン・コリア」というブランド価値を掲げこれまで中国で生産していた汎用手袋の代わりに高付加価値化を推進するという戦略だ。

◇「五重苦」で逆Uターン考慮

人件費上昇、環境規制強化など中国発の悪材で被害企業が続出しているが、シンソンメジャーグローブのように韓国へのUターンを決めたケースはごく少数だ。「メイド・イン・コリア」というブランド価値がもたらす利益より韓国の企業環境悪化による困難が大きいためだ。韓国は▽最低賃金引き上げ▽法人税引き上げ▽労働時間短縮▽産業用電気料金引き上げの可能性▽通常賃金範囲拡大――など企業の負担を増加させる要因があちこちに山積している。

経営環境悪化で中国に戻ろうとする「逆Uターン」企業もある。時計部品メーカーのエコ時計は「グローバルブランドを作る隠れた助力者」に挙げられる。モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(LVMH)グループに属している時計ブランドの「ウブロ」、スイスの時計ブランド「スウォッチ」などにセラミック部品を納品している。この会社は中国深センで工場を運営し2013年に京畿道広州(キョンギド・クァンジュ)にUターンした。「メイド・イン・チャイナ」より「メイド・イン・コリア」がもっと信頼を得られるという理由から製造コスト上昇を甘受して韓国に来たのだ。その後持続的に中国の生産量を減らし現在は生産量の90%を韓国で生産している。

だが最近再び中国に生産基地移転を検討中だ。来年度の最低賃金引き上げにより1カ月の人件費が3000万ウォン上がると予想されるためだ。労働時間短縮も悩みの種だ。残業と特別勤務を望む従業員まで業務を遂行できなくなり人材をさらに採用しなければならないためだ。追加採用をしようとしても人材がない。中小企業に勤めようという若者がおらず現在でも求人難だ。外国人労働者を雇用しようとしても法的に一定比率以上は雇用が不可能だ。生産品の90%ほどをスイスに納品する輸出企業の特性上、韓国での経営事情を理由に納品単価引き上げを要求することもできない。

エコ時計のコ・ヨンゴン代表は「『メイド・イン・コリア』というブランド価値より人件費負担がさらに大きいと判断して工場移転を考慮中。中小企業は10~20年の長期的な技術開発が必須だが近視眼的な政府の政策のために企業永続性を継続するのが難しくなっている」と吐露した。

◇大企業とともに第三国に離れる

人件費を減らすために中国に進出した企業らがベトナム・インドなどの国に離脱する事例も増加している。2001~2005年基準で韓国企業の海外直接投資金額のうち中国が占める割合は48.5%、ベトナムは3.5%にすぎなかった。だが2011~2016年基準で見れば中国が占める割合は33.2%に減少したのに対しベトナムは10.7%に増加した。

安い人件費を求めてベトナムやインドなどに移転するケースもあるが、大企業との協力関係を考慮して一緒に行くケースも多い。携帯電話電子部品メーカーのUILは韓国と中国工場に続きインドに工場を新設するための投資を始めた。111億ウォンを出資してインド現地法人のUILインターナショナルを設立した。

同社のキム・サンジュ代表は「インドに行くことが顧客誘致に効率的だと判断しインドに工場を新設している。新設法人はインド市場攻略に向けた前哨基地の役割をすることになるだろう」と説明した。Uターン企業を誘致して韓国の雇用と投資を増やすためには求心力のあるグローバル大企業誘致と韓国大企業のUターンモデルが出てこなければならない理由だ。だが韓国の大企業からはまだ事例を探しにくい。LGエレクトロニクスがメキシコ・モンテレイ洗濯機工場の生産量を減らしてこれを昌原(チャンウォン)工場に回したのが唯一だ。