韓経:【コラム】「ヘル朝鮮」の海外旅行ラッシュ=韓国

  • 2017年9月27日

10月初めの秋夕(チュソク、中秋)連休中に海外に行く出国者は最大130万人にのぼるという。旧正月連休を含めて過去最多だ。政府が内需を活性化するとして10月2日を臨時公休日に指定したが、これがむしろ海外旅行客を増やした。130万人は韓国の人口の2.6%に該当する。他国と直接比較するのは難しいが、10日間ほどの短期間にこれほどの比率の国民が海外旅行に行く国はおそらく韓国だけではないだろうか。

◆日本・米国より海外旅行者多い

今回の秋夕連休に限らず韓国人は海外旅行を好む。昨年の出国者数は2238万人だった。重複出国者も含まれているが、国民の2人に1人、より正確には2.2-2.3人に1人は海外に行った。

もちろん世界で海外旅行客数が最も多い国は中国だ。昨年1億2200万人が海外に出ている。しかし全体人口比で見ると話は変わる。中国の人口(13億8000万人)を勘案すると10人に1人にもならない。

全体人口に対する海外旅行客比率が最も高い国はポーランドだ。2014年に5400万人が海外に行き、人口(3800万人)1人あたり平均1.4回以上出国した。英国とカナダは年間の海外旅行客数が人口とほぼ等しい。全国民が年に1回くらい海外旅行を楽しむということだ。この3カ国を除いて経済協力開発機構(OECD)加盟国のうち韓国ほど海外旅行によく行く国はない。米国は4.8人に1人、日本は7.5人に1人、ドイツは10人あたり1人の割合で海外旅行をする。

韓国人が海外旅行を好むのにはいくつか理由があるだろう。家族旅行またはリフレッシュや休養のための旅行もあり、最近流行している一人旅も増加する傾向だ。近い国なら国内より安い費用でエキゾチックな風景を楽しめるという長所もある。韓国人特有の「他人の真似」も海外旅行ブームに関係しているようだ。インターネット、ソーシャルネットワークサービス(SNS)などに載せられる知人の素敵な海外旅行写真は「YOLO(=You Only Live Once、人生は一度だけ)」を叫ぶ社会の雰囲気と妙にオーバーラップする。少し無理をしても「自分も一度行ってこよう」という衝動に駆られる。

いかなる理由であれ、海外旅行には少なくない費用がかかる。いくら格安航空券でも数十万ウォン台が普通だ。さらに宿泊費と食費、その他の費用を合わせれば相当な金額になる。クレジットカードの海外使用額が四半期ごとに過去最多を更新している点がこれをよく表している。

一方ではこのような世相を恨むが、とにかくお金がなければ不可能なことだ。最近の若者の中には、就職がうまくいかず頭を冷やすために海外旅行に行くという人たちもいる。アルバイトでお金を貯めて欧州旅行をする人も少なくない。

◆我々は本当にそれほど不幸なのか

米国の国内線の飛行機に乗ってみると「飛行機旅行は生涯初めて」といって興奮を隠せずにいる高齢者に会うことも珍しくない。もちろん海外旅行は富と幸せの尺度ではない。しかし韓国のようにこれを楽しむことができる国は多くない。

それでも「ヘル朝鮮」などの言葉で自らを悲観的に見て、国外のどこかに天国でも存在するかのように扇動する人たちが多い。「腹が減るのが問題ではなく腹立たしいのが問題」と不平不満をあおる政治家もいる。我々は本当にそれほど不幸なのか。連休中に一度じっくりと考えてみるのがよい。

キム・ソンテ/論説委員