韓経:【取材手帳】韓国GMの撤退をあおる労組ストライキ

  • 2017年9月21日

3年間の累積純損失が2兆ウォン(約1984億円)に達する韓国GMの労働組合が20日、またストライキを行った。ことしだけで5回目だ。

ストライキの1次理由は賃金だ。組は▼月基本給15万4883ウォンの引き上げ▼通常賃金(月424万ウォン)の500%を成果給など一時金で支給--などを主張している。

同社はことし7月24日、第18回交渉で基本給5万ウォンの引き上げと一時金1050万ウォンの支給案を提示した。赤字の累積でこれ以上余力はないが、最大限の誠意を示したというのが会社側説明だ。

労組は「本社の米国ゼネラルモーターズ(GM)が求める品質と効率性に賃金水準が達していない」としてさらなる賃上げを主張している。韓国GM生産職の平均年俸は同じ金属労組所属の現代・起亜自動車とほぼ同じ水準(9000万ウォン以上)であることが分かっている。勤務の負荷がそれほど重くないため、昨年まで労組執行部が支援金を受けて人を選ぶ採用不正が繰り返されていたところだ。

労組は今月1日、韓国GMの社長に新しくKaher Kazem氏が就任してから、闘争レベルを高めている。7月17日の初ストライキ以降、2カ月近く休み、今月14日に2番目のストライキを行った。理由は釈然としなかった。労組は13日の交渉で、社長の通訳者の交代を要請し、受け入れられないため交渉会場を荒々しく出て行った。Kazem氏が出した費用削減戦略については「幼稚だ」と言って攻撃した。GMの韓国撤退説などの危機感が高まっている渦中に、労組が「新任社長の調教」のためにストライキを行っているという分析が出ているのはこのためだ。

韓国GMの年間生産台数は2007年94万台から昨年58万台に急減した。人件費の負担で生産費用が増加したためGM本社が配分物量を減らしたためだ。撤退説が繰り返し登場する理由でもある。

ただし、年間18万台の韓国市場をつなぎとめておくためにもGMがすぐに撤退する可能性は高くない。だが、会社が厳しい状況であるにもかかわらずストライキを行う労組を見れば、GM本社の考えも変わるかもしれない。会社が不安定なのに労組がストライキだけを日常的に行う会社の自動車を買いたいと思う消費者も多くないだろう。韓国GM労組がGM本社の撤退説への名分だけを大きくしているのではないかと心配だ。