韓経:「三重苦」に苦しむ韓国鉄鋼業界…4年ぶりの好況も眺めるだけ

  • 2017年9月7日

中国製熱延価格が3年9カ月ぶりに1トン当たり540ドル水準を回復した。2015年末に260ドルまで急落していた価格が久しぶりに正常化したという兆しだ。中国発の供給過剰の余波で沈滞期に陥っていた世界の鉄鋼市場が中国政府の強力な供給抑制政策で復活した格好だ。

だが、韓国の鉄鋼メーカーは笑えない。米国政府の通商圧迫だけでなく主要取引先である造船・自動車企業の不況、最低賃金引き上げ・非正規職の正規職転換・通常賃金拡大など企業負担を加重させるいわゆる「労働3種セット」が業界の収益性回復を固く締めつけているためだ。文在寅政権の「脱原発」宣言で電気料金引き上げカードまで水面上に浮かび上がった状態だ。

韓国企業は昨年から2倍以上に急上昇した原材料価格を製品価格にしっかりと反映させられずにいる。自動車鋼板の主要顧客である現代・起亜自動車と現代重工業など厚板を購入する造船メーカーの業績不振が続いているためだ。現代製鉄などは曲折の末に5月に自動車鋼板価格を1トン当たり6万ウォン引き上げたが、原材料価格上昇などを考慮すれば極めて不十分だと訴えている。今年に入り冷延と熱延価格も1トン当たり2万~5万ウォンほど上がったが、中国製品の価格上昇幅と比較すれば足踏みをしているのも同然と嘆く。また船舶用厚板価格はこの数年間受注減少に苦しめられた造船会社と苦痛を分担する次元から3年近く据え置いてきた。鉄鋼業界関係者は「いっそグローバル需要不振で製品と原料価格とも最低水準にとどまっている時が良かった。われわれだけ価格を上げられずにいるということがとても苦しい」と打ち明けた。

文在寅(ムン・ジェイン)政権の脱原発政策により電気料金上昇の可能性が開かれているという点も負担になる。最近産業通商資源部の白雲揆(ペク・ウンギュ)長官と鉄鋼業界最高経営責任者(CEO)との懇談会でも電気料金引き上げが主要懸案に浮上した。また、鉄鋼業界は特性上社内下請けが多く非正規職の割合が産業界で最も高い。