韓経:【社説】憶測にごり押しまでした特検のサムスン電子副会長への求刑

  • 2017年8月8日

昨日開かれた李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン電子副会長の賄賂供与事件の結審公判で、特検は懲役12年を求刑した。特検は計5件の容疑を適用した。李副会長が経営権継承の対価として朴槿恵(パク・クネ)前大統領と崔順実(チェ・スンシル)被告に430億ウォン(約42億円)台の賄賂を贈ったり、その約束をした賄賂供与容疑が1件目だ。続いて実際に手渡された298億ウォンには横領、崔被告のドイツ会社に支給した資金には財産国外逃避容疑を適用した。また、乗馬支援の事実を隠そうとしたとし、犯罪収益隠匿と聴聞会の偽証容疑も追加した。

この中で核心は贈収賄罪だ。残りの4件は贈収賄罪が成立しなければほとんど容疑が成立しない。それでも特検が異なる容疑をあれこれ付け足したのは系を重くするためではないかという分析が支配的だ。贈収賄罪の刑の重さは最大3~5年だ。これに対し、横領や財産逃避の場合、懲役5年以上無期懲役まで可能だ。刑を重くするために特検がこじつけで容疑を追加したという指摘が出ている理由だ。

問題は、特検が核心の贈収賄罪そのものを主に情況証拠によってごり押ししたところにある。贈収賄罪は請託が立証されなければ成立できない。ところが朴大統領と李副会長が3度会ったと言われているが、経営権継承を対価にチョン・ユラ氏を支援したという直接的証拠はない。そのうえ、サムスンのスポーツ財団拠出とチョン・ユラ氏の馬支援はすべて公式的な会計帳簿の作成を通じて行われている。強要にともなう支援で、賄賂や横領ならば透明な会計記録を残すはずがない。

特検は「典型的な政経癒着腐敗犯罪で、国民の主権と経済民主化という憲法的価値を大きく傷つけた」とし「これらを公正に評価して処罰してこそ国の品格を高めて経済成長と国民和合の足がかりを用意することができる」と主張した。どこかの政治家の演説文のようだ。裁判は被告人が誰であろうと、冷静な理性を通した論理的法適用過程であるべきことは多言を要しない。特検は国民和合のような政治的修辞に訴えるのではなく、明白な証拠と因果関係から明らかにしなければならない。

世界がこの裁判を見守っている。サムスン総帥という理由だけで違法を見ぬふりするのはいけないが、政治と世論の表情をうかがいながら憶測とごり押しを根拠に厳罰を主張する態度は困る。