韓経:世界で最も乗車感が良い列車を開発する現代ロテム

  • 2017年7月31日

次世代高速列車「海霧(ヘム)」が京畿道儀旺(ウィワン)の現代ロテム技術研究所で仮想の京釜(キョンブ)線を走行しながら性能点検を受けている。(現代ロテム提供)

京畿道儀旺(ウィワン)現代ロテム技術研究所には24時間走行する列車がある。30日に訪問した研究所の試験棟では、大きなスクリーンの中の次世代高速列車「海霧(ヘム)」が実際と同じ仮想の京釜(キョンブ)線を走行しながら品質検証を受けていた。画面の中の「海霧」が曲線区間を通過すると、画面の外の走行装置の中の「MRダンパー(振動吸収装置)」が目の前で動いて騒音と振動を減らした。

現代ロテムが世界で最も乗り心地の良い高速列車を開発するために騒音・振動と戦っている。「MRダンパー」「最小曲線走行装置」「列車風測定システム」など世界初の騒音・振動低減技術を武器に「2020年に世界5位の鉄道会社」という夢に一歩ずつ近づいている。その間、ICE(ドイツ)、TGV(フランス)、新幹線(日本)などの高速列車で速度競争を行ってきたグローバル鉄道業界は最近、騒音・振動問題に注目し始めた。速いほど乗車感が落ち、騒音・振動公害で鉄道周辺の被害も大きくなっているからだ。

現代ロテムはフェラーリなど最高級外国車に使用されていたMRダンパー技術を世界で初めて鉄道に適用した。これで列車内の揺れ(振動)を30%ほど減らすことに成功した。一般油圧ダンパーは油を使用するが、MRダンパーは磁性を帯びた液体が入り、電気信号によって固体化することで衝撃吸収力が倍加する構造だ。現代ロテムのこの技術はグループ内の他の系列会社でも需要が増えている。現代自動車はこの技術を来年発売する商用車(ユニバース)に適用することにした。続いて「ジェネシス」シリーズに導入することも検討している。

この技術の土台には仮想シミュレーションシステム「ヒルズ」がある。現代ロテムは2015年末、業界で初めてヒルズを導入した。普通、列車1両を製作するのに3億ウォン(約3000億円)、試験走行路線1キロを建設するには1000億-1500億ウォンかかる。鉄道業界が自動車のように試験走行をしたり乗車感テストをするのが容易でない理由だ。現代ロテムはヒルズを通じて完ぺきなMRダンパーが出るまで無限反復試験をしている。実際、運行時に発生する故障、脱線、台風、地震など数十にのぼる変数を入れて安全性も検証した。現代ロテムの関係者は「1年かかる試験を1カ月以内に終え、数兆ウォンの試験費用も減らすことになった」と説明した。

列車が最も大きな騒音を出すのは急カーブ区間を通過する瞬間だ。遠心力によって列車が外側に傾き、鉄道と摩擦が生じるからだ。現代ロテムは今年末までに世界で最も急な曲線(半径15メートル)も走行できる列車を出す計画だ。騒音問題は各種センサーを通じて列車内の車輪の回転半径と速度を制御する技術の開発で解決した。急曲線走行時の騒音を15デシベル(db)ほど減らした。

現代ロテムは高速列車による騒音と風圧を測定する「列車風測定システム」も今月、世界で初めて開発した。ノ・ジュヒョン現代ロテム・パート長は「音と振動が最も少なくなるよう列車を空気力学的に設計するのに役立つだろう」と説明した。