韓経:【コラム】韓進海運破産宣告、その後

  • 2017年7月12日

中国国営海運会社コスコ(COSCO)が世界海運市場で上位に浮上した。昨年中国2位の海運会社チャイナシッピングを合併してアジア1位になったコスコは、今回は香港オリエントオーバーシーズ(OOCL)を買収することにした。コンテナ運送能力世界4位のコスコと7位のOOCLが合併すれば、フランスのCMA-CGMを抜いて世界3位の海運会社となる。世界1位のデンマークのマースク、2位のスイスのMSCも追撃可能という分析も出ている。

世界海運市場で影響力を強めている国は中国だけでない。日本でもグローバル競争が可能な大型海運会社が新しく誕生した。日本郵船、商船三井、川崎汽船の日本海運3社はコンテナ事業を統合したオーシャン・ネットワーク・エクスプレス(ONE)を7日に設立した。10位圏前後の3社の事業が合併し、運送能力で台湾のエバーグリン(6位)を上回ることになった。

◆韓国海運だけが後退

一方、韓国海運業は国内1位、世界7位だった韓進(ハンジン)海運の破綻の衝撃から抜け出せずにいる。資金難のため昨年9月に企業再生手続き(法定管理)に入った韓進海運は、結局、今年2月17日にソウル中央地裁第6破産部から破産宣告を受けた。現在、韓進海運のホームページはいくらにもならない財産を債権者に分けるための案内文ばかりだ。韓進海運の営業ネットワークの大半は消えた。

産業銀行の子会社に編入されて起死回生した現代商船と韓進海運の米州路線を買収したSM商船が努力しているが、船舶の規模などで競争にならない。世界最大の海運同盟2Mと手を組んだが現代商船は世界15位の海運会社にすぎない。このため国内海運会社のコンテナ輸送量は前年比で半分以上も減った。海外企業に奪われた韓進海運の物量を取り戻すのが容易でない状況だ。

韓国海運業の危機が続き、韓国トップの韓進海運を破産させた海運業の構造改革は今でも論争の対象となっている。結果的に「失敗した構造改革」という批判が少なくない。構造改革を主導した金融委員会が海運産業に対する計画なく債権団の論理に立脚して決断したという指摘が代表的な例だ。

◆不可逆的な選択は慎重であるべき

一方、大企業の構造改革に適用される大株主の責任原則と他の企業との公平性の原則などを考慮すると、法定管理は避けられない選択だったという反論もある。大株主の代わりに国民の税金で企業を再建することに対する否定的な世論が多いということだ。

最近、文在寅(ムン・ジェイン)政権が推進している非正規職の正規職化、時給基準の最低賃金1万ウォン(約1000円)引き上げ、脱原発などの政策をめぐり、可逆的か不可逆的かという言葉がよく登場する。物理学から借用したこの用語は過去に戻すことができる政策か、そうでないかという意味だ。

韓進海運の破産は不可逆的な選択だった。法定管理の前に戻って産業銀行が現代商船にしたように資金を投入して子会社にすることは不可能だ。そうでなければ莫大な税金を投入して韓進海運以上のネットワークを持つ国営海運会社を作るべきだが、それか可能かは疑問だ。

非正規職の正規職化と81万人の公共雇用創出、最低時給1万ウォン引き上げ、脱原発政策などには多くの反対論が存在する。反対のための反対でなく当初の趣旨とは違う副作用と弊害を懸念する指摘が少なくない。もし不可逆的な決定なら新政権は反対派の声にも十分に耳を傾けなければいけない。不可逆的な韓進海運の破産決定の開始も善意だった。

キム・スオン/論説委員