韓経:クムホタイヤが日本企業であれば…

  • 2017年6月26日

「クムホタイヤが日本企業だったなら売却作業が今のように進んでいるだろうか」。

SKハイニックスが含まれた「韓日米連合コンソーシアム」が東芝メモリ事業部売却の優先交渉対象者に選ばれた後、錦湖(クムホ)アシアナグループのある関係者から受けた質問だ。クムホが中国ダブルスターへの売却に強く反対する状況であるだけに、彼が望む解答は明白だ。しかし今回、日本政府と銀行が東芝を扱う方式と形態を考えると、果たして産業銀行のクムホタイヤ処理方式は穏当なのかと疑問を感じるのも事実だ。

日本は韓国や中国などアジア企業に東芝メモリを売却しないという意思を露骨に表した。自国の先端設備と技術を競争国に渡すことはできないという理由だった。

このようにM&A(企業の合併・買収)市場で買収企業の国籍を重視する観点からみると、クムホタイヤ売却構図は現在産業銀行が主導する図とは完全に違うと感じられる。産業銀行は最近、クムホ商標権使用問題で錦湖アシアナグループと摩擦が繰り返し生じると、公式報道資料を通じて「クムホタイヤが国家経済に寄与できる企業として持続可能になるためには、進行中の売却手続きを迅速に終結しなければいけない」と明らかにした。一日も早くダブルスターに売却する必要があるということだった。

しかし振り返ってみると、技術流出の可能性や買収候補の財務健全性など、その間ダブルスターを対象に一部で提起された疑惑はどれ一つとして明確に解決されていない。売上高の比率は小さいが、クムホタイヤは国内唯一の軍需タイヤ製作会社でもある。戦闘機、T-50訓練機、軍用トラックなどのタイヤを生産している。産業銀行側は政府がクムホタイヤの海外売却を認めない場合、軍需産業部門を分離売却するという意見を明らかにしていた。しかし業界は「軍用タイヤと一般タイヤを同じラインで生産していて現実性が落ちる」と指摘した。会社売却時にクムホタイヤが保有してきた874件の特許がそのまま中国タイヤ企業に移るという事実にも背を向けているようだ。どうにかして自国の技術を保護しようとする日本とは大きく異なる。

ダブルスターも反中感情を恨むだけで、SKのように相手国の情緒をなだめて克服する誠意と配慮を見せていない。資産・売上高規模がクムホタイヤの5分の1水準のダブルスターが果たしてクムホタイヤを育てることができるのかという懸念にも無返答だ。さらにダブルスターは買収代金9550億ウォン(約936億円)のうち不足する7200億ウォンを中国金融界から融資を受けると明らかにした。年間利子だけで数百億ウォンにのぼる。

朴三求(パク・サムグ)錦湖アシアナグループ会長側にクムホタイヤを引き渡すべきだという話ではない。しかし国旗を掲げる企業としての戦略的価値とともに地域社会に多くの雇用を保有している企業を売却しながらも、日本ほど精巧さ、緻密さがないという批判を聞くのは問題がある。産業銀行がクムホ側との感情的な争いに没頭するのではないか見守らなければいけない。