韓経:【社説】韓米THAAD葛藤が招いた「通商請求書」 まだ始まりの段階か

  • 2017年6月16日

韓国に対する米国の通商圧力が強まっている。今度は洗濯機だ。米国際貿易委員会(ITC)は輸入家庭用洗濯機に対する米家電企業ワールプールのセーフガード(緊急輸入制限措置)発動請願を受け、調査に着手した。米国に輸入される洗濯機の大半がサムスン・LG製品であるため、韓国産が主なターゲットだ。これに先立ち米国は韓国産可塑剤、合成ゴム、鉄鋼線材、太陽光電池、パネルなどの反ダンピング調査を行っている。鉄鋼材、洗濯機に続いて半導体までがセーフガードを検討しているという声も聞こえる。該当企業は不安を感じている。

トランプ政権の保護貿易主義は予告されていたが、その対象が全方向であり超強硬措置で一貫している点に深刻性がある。16年ぶりにセーフガードを持ち出し、冷戦時代に制定(1962年)された通商拡大法232条を適用して国家安保に対する輸入製品の影響を調査するというのも前例がないことだ。韓国産半導体も例外ではないことを示唆している。博物館の「錆びた剣」まで持ち出しているため、どのような措置が出てくるかは分からない。

韓米首脳会談を2週後に控えて米国の通商攻勢が強まっているのは、最近の両国間の微妙な雰囲気と無関係とは考えにくい。THAAD(高高度防衛ミサイル)配備遅延に対する米政府・議会の反応が尋常でない。韓国がTHAAD環境影響評価を決めた8日、ロス商務長官がホワイトハウスに呼び出されたりもした。こうした局面で政府の外交安保当局者が「THAADは米国政府が処理する」と話すなど食い違いもあった。過去にも政治的な摩擦が経済に波紋を及ぼした事例があったことを思い出す必要がある。

両国間には韓米FTA再交渉、対米貿易黒字、為替レートなど首脳会談で扱われる経済懸案が多い。にもかかわらず訪米経済使節団の構成は遅れ、通商長官は事実上不在状態だ。在韓米国商工会議所は100億ドルの「バイ・アメリカ・ファンド(米国製品購買ファンド)」を設立するよう助言したりもした。輸出で暮らす国の外交で国益より重要なものはない。名分ばかり前に出して同盟の信頼を失い、経済まで飛び火させることがあってはならない。