韓経:1980年代に後退した韓国の大学…理由は?(2)

  • 2017年6月7日

◆「費用がかかる研究は不可能」

第4次産業革命の戦士を育てるための競争力強化は他人事になっている。教育部の関係者は「大学の創業支援のために学生に会ってみると、地方大では夜中に作業する空間もないと訴える」とし「釜山大でさえも夜になれば消灯するという話が出るほど」と話した。

延世大は融合教育のため「チームティーチング」という新たな教育方式を全講義に拡大する計画を立てたが、予算のため実行できていない。ソウルの中位圏大学に分類される世宗(セジョン)大は学科あたりの講座数を制限している。オム・ジョンファ世宗大教務処長は「新しい講義は考えることもできない」と語った。

授業料収入のうち70-80%が人件費、施設維持など経常費用として出るという。こうした事情のため大学は教育部の財政支援事業を獲得しようと血眼になっている。西江(ソガン)大コンピューター工学科が先日、助教賃金未払い問題で苦労したのは、こうした事情をよく表している。教育部支援事業でCT授業を始めたが、政府支援金が4月に入ったため賃金支払いが数カ月間遅れたのだ。西江大の関係者は「5月初めに一括で支払った」とし「学校の予算が不足しているため、あらゆることを政府に依存しなければいけない状況」と述べた。

研究支援チームを減らし、財政支援事業チームを拡大する大学が出ているほどだ。ある私立大総長は「研究中心、産学協力などいくつかの目標を定めて競争力を高めるべきだが、学校に資金がないため政府支援事業にかたっぱしから応募するしかない」と述べた。

7年前からこうした状況が続く中、私立大総長らは「国の未来の競争力を落としている」と主張している。ソウルのある私立大総長は「ミシュランレストランを作れと注文しながら料金は下げろというのと同じ」と指摘した。

第4次産業革命競争の前哨基地の役割をすべき大学が「武器」もなく戦争に向かう状況というのが総長の懸念だ。日本は2013年まで100万円水準に維持された私立大(理工系)の年間授業料が今年は114万円と4年ぶりに14%ほど上がった。国公立大は2004年から授業料据え置き政策を維持してきたが、私立大の授業料に対しては学校の裁量に任せる構造だ。人工知能、ビッグデータ、スマートファクトリーなど第4次産業革命競争が激しい時期という点と無関係ではないというのが専門家らの説明だ。

チョン・ギュサン成均館(ソンギュングァン)大総長は「外国と比較するとため息ばかり出る」とし「授業料の据え置きが国民感情で固まっただけに代案を模索しなければいけない」と述べた。韓国大学教育協議会所属の総長らは今年1月、「高等教育の危機克服と正常化のための建議」を政府に提出したりもした。

「私立大学支援のための特別法」(仮称)を制定し、政府が私立大の経常運営費を支援し、市場競争に基づいた大学構造改革を推進するべきというのが骨子だ。

授業料据え置きを触発した「主犯」である「半額授業料」政策にも総長らは苦言を呈した。廉載鎬(ヨム・ジェホ)高麗(コリョ)大総長は「政府レベルで半額授業料という言葉はもう使うべきでない」とし「半額という言葉にこだわるなら、むしろ教育費還元率を基準としなければいけない」と述べた。教育費還元率とは、支払った金額に比べてどれほどの教育恩恵を受けているかを表す指標で、100%なら支払った分だけの恩恵を受けるという意味だ。廉総長は「ソウルの主要私立大の教育費還元率は300%に近い」とし「すでに半額授業料を実現している」と語った。