韓経:【コラム】中小企業を苦しめる「親中企文在寅政権」

  • 2017年6月5日

中小企業界は文在寅(ムン・ジェイン)政権に対して懸念より期待が大きかった。中小企業ベンチャー部を新設して「傾いた運動場を真っ直ぐにする」という公約を歓迎した。歴代政権のうち最も「親中小企業政策」を展開するという見方もあった。2020年までに最低賃金を1時間あたり1万ウォン(約1000円)に引き上げ、年内に勤労時間を週68時間から52時間に短縮するという公約に懸念はあった。しかし社会的な合意を経て補完策を用意し、徐々に施行するものと考えていた。ところが1日、大統領直属の雇用委員会が「雇用100日計画」を発表すると、懸念は現実になった。

◆雇用計画で企業の意見を排除

中小企業界のある人物はこの日、「財界は当惑している」と語った。雇用委員会には大韓商工会議所、中小企業中央会、韓国経営者総協会(経総)など財界団体が含まれている。しかし誰もこの日発表された雇用対策について知らなかった。にもかかわらず「雇用を創出する当事者の企業側に相談もなく一方的に発表するのは考えられない」と抗議する状況でもない。すでに経総が新政権の非正規職対策に反論して叩かれた場面を目撃しているからだ。

雇用委員会の発表内容を要約すると、「最低賃金引き上げと勤労時間の短縮は公約通り施行する。このため一部の中小企業の小商工人勤労者に被害が発生する可能性がある。この問題は政府が予算を支援したり制度を通じて補完する」ということだ。

雇用を創出して賃金を支払う企業の事情は全く考慮していないという不満の声が出ている。合意が難しいのなら説得でもするべきだった。雇用委員会は良質の雇用のために勤労時間の短縮と最低賃金の引き上げが必要だという。ならこうした措置でどのように雇用を創出できるのか、政府と勤労者、使用者がどんな譲歩と協力をするのか提示しなければならなかった。最低時給が1万ウォンになれば経済成長率が1.5ポイント落ち、雇用も24万-51万人減らす恐れがあり(パク・キソン誠信女子大教授『急激な最低賃金引き上げ:雇用災難』)、勤労時間が48時間に減れば企業の費用が年12兆3000億ウォン増える(中小企業中央会)という反論論理もある。

◆生計型支援は限界

政府は補完案を今月中に出すという。それなら補完策とともに発表していればという考えになる。急いで発表して期待と不安を膨らませるのは納得しがたい。

政府が零細中小企業と小商工人支援を通じて副作用を減らすと強調する部分も再考する必要がある。我々はすでに中小企業支援に年16兆ウォン以上を投入している。規模では世界屈指だ。下位10%の企業に70%の予算が投入されるというのが中小企業庁の分析だ。複数の機関による重複支援も多い。それでも中小企業の生産性は依然として低く「ゾンビ企業の量産」という批判が出てくる。

政府が中小企業ベンチャー部を新設する理由も、関連予算を効率的に執行して中小企業の競争力を高めようということだ。こうした状況でまた生計型支援に予算を集中する可能性が高まっている。政府の支援も企業が成長しなければ持続しない。中小企業の夢を抱えて第一歩を踏み出す中小企業ベンチャー部も容易でない出発ラインに立つことになった。

キム・テワン/中小企業部長