【社説】23年競争体制から戻った統合ソウル地下鉄

  • 2017年6月2日

ソウル地下鉄1~4号線を運営してきたソウルメトロと5~8号線を運営してきたソウル都市鉄道公社が分離23年でソウル交通公社として統合した。社員1万5674人、資本金21兆5000億ウォン(約2兆1420億円)に達する韓国最大の地方公企業の再誕生だ。277駅で一日平均680万人を乗せるソウル交通公社は、ニューヨークとロンドンを抜き世界3位の地下鉄運営機関になった。

ソウルの2大地下鉄が統合することになった直接的なきっかけは、昨年5月発生した「九宜(クイ)駅スクリーンドア補修事故」だった。これを受け、地下鉄の安全問題が急浮上することで紆余曲折を経て単一公社になった。ソウル市と統合ソウル交通公社はいかなる状況でも安全問題だけは隙間がないようにしなければならない責務を抱くことになった。

一方では、ソウル地下鉄が23年前、分離競争体制で運営されていた理由も振り返ってみる必要がある。両公社間の「善意の競争」を通じて一般のサービスはもちろん、安全問題まで改善しながら、累積負債と運営赤字をどうにか減らしてみようとの趣旨だった。統合地下鉄公社は4兆3282億ウォンに増えた莫大な借金と年間4000億ウォンに迫る赤字問題を抱えたまま発足する。このような財務構造を打開する画期的な経営改善策がなるべく早いうちに立てられる必要がある。

また、市民が懸念しているのは円満な労使関係を形成しているかどうかだ。ソウル市がかつて競争体制を選んだ背景にはストライキに備えようという計算もあった。今は労組と事実上公社を左右するソウル市が非常に友好的な関係を維持しているが、ソウル市と議会を特定政派や政党がずっと牛耳るという保障はない。直ちに、来年に地方選挙がある。政治環境が大きく変わることで労使関係が冷え込む場合、市民の足が労使対立の人質に転落する可能性が少なくない。統合ソウル地下鉄の巡航と成否は労使関係にかかっているといっても過言ではない。