韓経:6月の韓米首脳会談、経済分野なしの「半減会談」懸念

  • 2017年6月1日

昨年11月10日、ポール・ジェイコブス韓米財界会議米国委員長(クアルコム会長、左から3人目)、趙亮鎬(チョ・ヤンホ)韓国委員長(韓進グループ会長、4人目)らが昨年11月10日、全国経済人連合会会館カンファレンスセンターで開催された第28回韓米財界会議総会に出席し、両国の経済懸案を議論している。(写真=韓経DB)

6月末に開催される予定の韓米首脳会談が経済分野を除いた「半減会談」に終わるという懸念が強まっている。韓国企業の投資・輸出と通商問題に関する声を伝える窓口自体がないうえ、両国が調整するべき政策的議題も事前議論がない状態だ。伝統的に韓米関係を動かしてきた両輪の経済と安保のうち一方が空転すれば、首脳会談の意味も半減するしかないという指摘が出ている。

その間、大統領の米国訪問には財閥トップをはじめ、大企業と中小企業の経営者が同行してきた。「経済使節団」と名付け、韓米両国の通商・経済分野の懸案を円満に解決するのに寄与してきた。しかし今回は違う。先日の韓国経営者総協会に向けた文在寅(ムン・ジェイン)大統領の叱責で財界の雰囲気は沈んでいる。財界を代表する使節団を構成する動きも見えない。政府関係者は「現在としては実務的に難しいという結論が出た」と話した。異例にも経済使節団を除いた首脳会談になる可能性が高まったのだ。

有力視される訪米期間は19日から始まる週であり、1カ月も残っていない。韓国財界人の日程はなんとか急に変更できるとしても、交渉パートナーである米国の官僚や財界人の日程まで調整するのは容易でない時間だ。財界関係者は「米国の財界人は韓国の大統領よりビジネスパートナーである韓国の財界人に会うことを望む場合が多い」と述べた。韓国から誰が来るか分からない中、あらかじめ時間を確保しておく米国の財界人はいないということだ。

経済使節団を構成する主体も見えない。これまで韓米首脳会談に参加する財界人を構成する役割は全国経済人連合会(全経連)が担当していた。今はそのような役割を期待しにくい。「崔順実(チェ・スンシル)ゲート」が発生した後、全経連は会員企業の離脱などで存廃の危機を迎えている。人員もすでに半分近く全国経済人連合会を離れた。政府に使節団の話も持ち出しにくい状況だ。政府からの具体的なシグナルもない。新政権が首脳会談を急ぐ過程で外交・安保問題に傍点を打ちながら推進しているという声も聞こえる。

政府関係者は「北の核問題、THAAD(高高度防衛ミサイル)、自由貿易協定(FTA)など外交的な懸案があまりにも多い」とし「国政企画諮問委員会と青瓦台実務陣ではある程度の財界人を同行させるべきではという意見が出ているが、使節団を構成するとしてもその規模は非常に小さくなるはず」と述べた。この場合、企業間の投資関連了解覚書(MOU)締結やビジネスフォーラムなどは行われない可能性が高い。

◆「経済懸案は山積しているが…」

今回の首脳会談を通じて文在寅大統領は、保護貿易主義政策を次々と出しているトランプ大統領を相手にしなければいけない。韓米FTA再交渉など韓国経済に向けられたトランプ大統領の直接・間接的な圧力はすでに表れている。米国企業の代わりに外国企業に影響を及ぼす事例も少なくない。代表的なのがセーフガード(緊急輸入制限措置)発動だ。

米国国際貿易委員会(ITC)は30日、外国産太陽光電池の輸入に対するセーフガードを検討中という内容を世界貿易機関(WTO)に公式通知した。貿易法201条によると、特定品目の輸入急増で米国の該当産業が相当な被害を受けたり被害が懸念される場合、関税を賦課したり輸入量を制限するセーフガードを発動することができる。

5月20日にはトランプ大統領が鉄鋼輸入に通商拡大法232条を発令する内容の行政覚書に署名した。韓国と中国をはじめとする外国産鉄鋼の輸入が米国の安保を侵害するかどうか調査するよう商務省に指示した。ある企業関係者は「米国の政界と財界は一体となって動くことが多い」とし「米国の政界に影響を及ぼすには米国企業を動かすのが効率的」と述べた。米国企業の関心を集める韓国企業が疎通の窓口として活用されるべきということだ。

日本も経済問題を解決する原理は似ている。財界が問題を伝えれば政府が解決策を提示し、その代わり政府は企業に輸出拡大と雇用創出を促す。

安倍首相の海外訪問にも財界人が随行する。政府と財界のつなぐのは経団連(日本経済団体連合会)だ。経団連は日本財界を代弁する利益団体であり、韓国の全経連に該当する。日本経済新聞は「経団連が安倍政権と『蜜月関係』を維持している」と評価した。

◆水面下の成果

その間、韓米両国関係に財界人が及ぼした影響は少なくない。窓口は両国の財界人で構成されている韓米財界会議が担当した。韓米FTAが代表的な例だ。2000年に韓米財界会議は全経連とともに両国間FTAを共同で提案した。これを土台に2006年に正式交渉が始まった。

米国ビザ免除にも両国財界人の努力が少なからず寄与した。ウィリアム・ローズ元韓米財界会議委員長は最近、韓国経済新聞への寄稿で「財界会議の米国側委員長当時、全経連、在韓米国商工会議所とともに米国議会など主要機関に共同書簡を送ったのをはじめ、多くの活動をした」とし「こうした努力が韓国をビザ免除国に含める結果につながった」と伝えた。韓国が通貨危機を迎えた当時にシティバンクを率いていたローズ元委員長は韓国の短期債券満期延長交渉を主導したりもした。この功労で当時、金大中(キム・デジュン)大統領から修交勲章興仁章を受けた。

朴槿恵(パク・クネ)大統領が2013年に韓国大統領では初めて米上下両院合同演説をすることになったのも、韓国企業から水面下の要請を受けた米国企業が米国議会を動かしたためだ。今回の首脳会談ではこうした両国財界の役割を期待するのが難しくなった。

雇用のためにも両国経済界が強い関係を維持するべきだという指摘が出ている。経済団体の関係者は「韓国の国内総生産(GDP)は世界GDPの3%程度だが、韓国に入ってくる外国人の直接投資金額は0.3%にすぎない」とし「外国企業が韓国投資を増やしてこそ雇用も増える」と述べた。