韓経:【コラム】安倍首相の長期執権

  • 2017年5月30日

安倍首相(63)が28日で在任期間が計1981日(約5年5カ月)となり、小泉純一郎元首相(1980日)を上回ったという。戦後の首相のうち佐藤栄作(2798日)、吉田茂(2616日)に続いて3番目に長い。これをきっかけに安倍首相の長寿の秘訣が改めて注目されている。

安倍首相は政治世襲が多い日本でも屈指の家門だ。祖父の安倍寛は衆議院議員、父の安倍晋太郎は外相を務めた。首相を務めた岸信介が母方の祖父であり、佐藤栄作は岸信介の弟。夫人の昭恵氏は森永製菓社長の娘だ。政治資産と財力をともに備えている。

しかし安倍首相が「背景」だけで長寿していると考えるのは大きな誤算だ。2006年9月に最年少(52歳)首相になったが、未熟なため1年で辞任した後、切歯腐心の末2012年12月に再執権した。安倍首相の強みは政治の師の長所をスポンジのように吸収し、失敗から教訓を得る緻密さにある。安倍首相は野党時代、一人でリュックサックを背負って李明博(イ・ミョンバク)大統領を訪ねたりもした。首相になった後、「ビジネスフレンドリー」やセールス外交に積極的なところを見ると、李明博元大統領をベンチマーキングしたようだ。

安倍首相の長期政権は、何よりも慢性的な無気力症に陥った日本を立て直したのが秘訣だ。安倍首相以前の日本は5年間で首相が6人も交代し、経済は「何をしてもだめ」という敗北主義が蔓延していた。2011年には大地震までが重なった。「閉塞感」が当時の流行語だった。企業は「6重苦」を訴えた。6重苦は円高、世界最高の法人税率(40%)、高い電気料金、不振のFTA、炭素削減費用、硬直した労働市場だ。「どうか韓国のようにしてほしい」というのが財界の要求だった。

このような現実を直視した安倍首相は再選後にまったく違う姿を見せた。特にアベノミクスの「3本の矢」(金融緩和、財政拡大、長期成長戦略)は初期の試行錯誤を経て徐々に効果を表した。青年の雇用が増え、規制廃止で「何でもできる国」に変身している。逆に韓国の青年の間で「安倍首相がうらやましい」という声が出ている。日本の6重苦が今では韓国企業の状況となっている。

もちろん安倍首相は歴史・領土問題、戦争ができる国への歩みなど、周辺国と摩擦も多い。しかし米国とさらに密着し、国益のためなら屈辱も甘受する態勢だ。来年3選に成功すれば任期は2021年9月までとなり、歴代最長寿首相になる。野党がばらばらであるため「安倍1強」構図だ。

安倍首相、英国のサッチャー元首相、ドイツのメルケル首相のように内閣制でも能力しだいでいくらでも安定したリーダーシップが可能だ。妥協の伝統がない韓国にも適用できるだろうか。

オ・ヒョンギュ/論説委員