韓経:【コラム】韓国のTHAAD外交、「ハネムーン」後が問題だ

  • 2017年5月25日

中国で生活する外国人の大半は「中国人は面子を重視する」という固定観念に疑問を提起する。中国で不動産賃貸借契約を一度でも経験した人たちはほとんどがこう認める。中国人は自分たちの「利益」のために「体面」を履きつぶした靴のように捨てるということを。中国人の家主は不動産賃貸期間満了後、保証金を返さないために想像を超越するような難癖をつけたりする。外国企業との交渉や外国政府との外交はどうか。

この数カ月間、北朝鮮と中国の関係は過去に類例がないほど悪化した。北朝鮮が核を放棄するよう中国が米国と連携し始めた後、「血盟」という朝中政府は国営メディアを動員し、赤面するような誹謗戦を展開した。

中国人の民心も同じだ。北京に住むある中国人の友人は「永遠の友など存在しない。永遠の利益だけがある」と語った。彼は「過去には北朝鮮と血盟関係を維持するのが中国には利益だったが、今の北朝鮮は中国の利益をむしろ害しているようだ」と話した。

このような敏感な時期に発足した文在寅(ムン・ジェイン)政権は米国、中国、日本、ロシアに特使を派遣し、「4強外交」を始めた。重要でない国は一つもないが、国民が最も大きな関心を見せたのは中国だ。新政権の発足をきっかけに中国の「THAAD(高高度防衛ミサイル)報復」が解決するのではという期待からだ。

現在まで表れている雰囲気は悪くない。中国の習近平国家主席は文大統領に送った祝電と電話協議で、韓中関係の改善を希望するというメッセージを間接的ではあるが強く伝えた。現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」国際会議に招請した韓国代表団、大統領の特使の李海チャン(イ・ヘチャン)元首相も歓待した。

中国の楊潔チ国務委員は、李海チャン特使が「THAAD報復措置が早期に緩和することを希望する」と要請すると、「韓国人の憂慮をよく知っている。問題解決のために積極的に努力する」と答えた。THAAD報復措置で直撃弾を受けた韓国旅行業界と文化コンテンツ業界からは「近いうちに中国政府がTHAAD報復措置を解除する」という見方が出ている。

一方、行き過ぎた期待を警戒する声も多い。北京のある外交消息筋は「計算高い中国が確実な反対給付なくTHAAD報復措置を解除することはない」と断言した。中国が関係回復を希望するというメッセージを発信したのは、文在寅政権に一種の「ハネムーン」期間を与えたものであり、それなりの戦略的意図が込められているという見方を示した。THAAD問題解決のための両国間交渉が本格化すれば、中国はTHAAD報復解除に相応の代価を支払うことを韓国に要求する可能性が高いという観測だ。

懸念されるのは分裂している韓国の世論だ。韓国内の進歩陣営はTHAAD配備に賛成すれば「親米事大主義者」と、保守陣営はTHAAD配備に反対すれば「従北勢力」または「安保不安勢力」と見なす。

THAAD問題に徹底的に計算しながらアプローチする中国に、分裂した陣営論理で対応できるだろうか。「理念の眼鏡」を外して国家利益を中心にした凝集力を見せてこそ、韓国政府のTHAAD外交も円滑に進むだろう。

キム・ドンユン/北京特派員