韓経:「受注の崖」抜け出す造船、高付加価値船舶で競争力高めよ=韓国(2)

  • 2017年5月17日

それならば現在のように厳しい時期をうまく乗り越えて正常化した市場でしっかりと受注戦略を広げていくにはどのようにしなければならないだろうか。大型造船会社は着実に高付加価値領域で製品差別化をしていかなければならない。後発競争企業と質的な格差を維持してこそ良好な売り上げと収益構造を守ることができる。船舶は国際海事機関(IMO)や該当船級で規定した基準を適用し、大量の貨物を最も安く運送できるよう建造すれば良いため他の産業製品と違い質的差別化の余地は大きくない。しかし製品差別化のひとつの領域として「親環境スマート船舶」がある。荷主と船主の費用削減と安全に対するニーズを相当部分満たすことができ、後発業者との間隔もさらに広げられる領域だ。現在とコンセプトは若干異なるが7年ほど前に世界で初めて知能化したスマート船舶を開発し引き渡した実績がある韓国なので可能だと考える。

◇老朽商船の置き換えなど支援必要

造船産業で船価が底である時に生き残るための戦略は変動費に固定費の一部を回収できるなら損失が出ても受注しなければならないということだった。しかしいまは債権金融機関のガイドラインに合わせなければならないため厳しい状況だ。特にばら積み船、タンカーなど汎用船舶を中心に受注しなければならない中小・中堅業者は中国企業と厳しい競争をしなければならず、受注しても前受金払い戻し保証(RG)の発行が難しく契約が失敗に終わる状況が広がっている。RG発行失敗で韓国の中小・中堅造船会社が受注を逃し相対的に競争力を持っていたMR(2万~5万トン級石油・化学製品運搬船)、LR(5万~8万トンのパナマックス級タンカー)級タンカー市場の相当部分が中国や日本の造船会社に移った。残念だがそれが市場論理ならば仕方がない。ただ政策的に▽老朽官公船と沿岸旅客船を親環境船舶に置き換え、▽船舶ファンドを活用して発注し▽老朽商船の新造置き換え支援などを迅速かつ持続的に推進し、中堅・中小造船会社の生存を後押ししなければならないだろう。

◇資機材業者、製品多角化してこそ

韓国の中小・中堅造船会社が崩れれば汎用船舶用資機材に集中してきた資機材会社の生き残りが難しくなり、資機材会社の基盤が崩壊すれば大手造船会社の競争力維持も難しくなる。

中小造船会社の場合、発注量が10年平均規模に大きく及ばない現在の状況で建造船種を差別化したり特定船種に特化することは難しく見えるが、中長期的に安定した新造を継続するためには費用削減と生産性向上が可能な船種特化戦略が有効なものと予想する。資機材会社も現在の汎用船舶資機材中心の製品構造を多角化すると同時に、新造、改造と修理需要などでの連係が可能な海外市場を積極的に攻略しなければならない。

ホン・ソンイン/産業研究院研究委員