韓経:幹細胞研究…加速する米国・中国、規制多い韓国

  • 2017年5月12日

メディポストの研究員が板橋(パンギョ)研究所で幹細胞治療剤を見せている。(写真=メディポスト提供)

幹細胞治療薬市場を確保するためのグローバル競争が激しくなっている。体内の器官や臓器を作ってパーキンソン病、がん、糖尿病まで治療できる「夢の治療薬」として注目されているからだ。幹細胞治療薬市場で韓国はトップ圏に入る。しかし幹細胞治療薬がまだ市場に定着していないため、これといった成果は出せていない。その間、米国や中国が研究開発(R&D)を強化し、韓国を追い越したという分析も出ている。

◆「孤軍奮闘」の韓国幹細胞治療薬

世界的に許可を受けた幹細胞治療薬は計7件。うち4件が韓国の製品だ。しかし市場の反応は大きくない。これまでになかった医薬品であるため、保守的な医療界で十分に受け入れられていないからだ。

価格が高いのも問題だ。1回の注射の費用が2000万ウォン(約200万円)を上回る。細胞が生きた治療薬であるため保管期間がわずか3日前後というのも障害だ。技術的に大量生産が難しいため生産単価を低めることができない。

国内の幹細胞治療薬企業の成果は分かれる。ファーミセルが2011年に発売した世界初の幹細胞治療薬「ハーティセルグラム」は行政処分の危機に直面している。販売不振のため医薬品許可維持要件を満たせないからだ。発売後6年間に600件以上の心筋梗塞治療の結果を食品医薬品安全処に提出しなければならないが、今まで販売された薬はこの基準をはるかに下回る。

業界は来月30日の再審査でハーティセルグラム販売停止など行政措置が取られる可能性もあるとみている。一方、メディポストの退行性関節炎幹細胞治療薬「カーティステム」は2012年発売後、累積5000例を達成するなど成果を出している。

◆加速する米国・中国

米国、欧州、日本などは幹細胞治療薬の開発に積極的だ。2013年に400億ドルだった世界幹細胞治療薬市場は来年1177億ドルと予想されるなど、市場の見通しが明るいからだ。

日本政府は幹細胞治療薬の開発期間を短縮できるよう制度の改善に着手した。米国はヒト胚性幹細胞制限を廃止したのに続き、臨床試験まで承認した。

中国政府は2年前、幹細胞治療薬関連指針を作るなど支援を拡大している。生命倫理法などで細胞治療薬研究まで厳格に規制する韓国とは対照的だ。

結果は新規臨床試験件数で表れた。昨年の幹細胞治療薬の新規臨床件数は中国が8件、韓国が5件だった。業界関係者は「韓国は規制などの影響で研究分野では遅れをとっている」と指摘した。

◆「市場に合う支援が必要」

韓国の幹細胞治療薬産業の育成のためには基礎研究の強化はもちろん、幹細胞治療薬の特性に合う支援策が必要だという声が多い。幹細胞治療薬の価格が高いため患者は購入を避けるが、保険の適用を受けるのはアントロジェンのキューピーステムが唯一だ。

コアステムのキム・ギョンスク代表は「食品医薬品安全処は新薬に準ずる基準で品目許可を受けるようにいうが、健康保険審査評価院は幹細胞治療薬を別途の細胞治療薬に分類するなど部署ごとに基準が異なる」とし「分類の基準が変わり、新薬に対する税制優遇を受けられない場合もある」と述べた。