韓経:【社説】中小企業を締めつけながら「中小企業部」作るのか=韓国

  • 2017年4月28日

大統領選挙でどの候補も「中小企業大統領」を名乗っている。大企業の不公正行為を厳しく処断し、中小企業に対する研究開発・金融支援などを強化し、産業構造を中小企業中心に変えると声を高めている。候補らは異口同音に「中小企業部」への格上げを約束している。各部処に分散している業務と予算を一カ所に集め、中小企業を集中的に育成するという。

ところが候補が出した他の公約を見ると、本当だろうかという疑問を抱く。雇用創出と大・中小企業の格差解消のためという名分だが、中小企業の経営に致命打を与えるのが明白な政策が多い。勤労時間の短縮もそうだ。文在寅(ムン・ジェイン)共に民主党候補は週68時間の勤労時間を週52時間・年1800時間に、安哲秀(アン・チョルス)国民の党候補は年1800時間に減らすという公約を出した。大企業とは違い、中小企業は今でも求人難に苦しんでいるため、超過勤務をするところが多い。こうした状況で十分な猶予期間なく施行すれば、多くの中小企業は人件費に耐えられなくなる。中小企業中央会が推算した追加の負担は年8兆6000億ウォン(約8500億円)にのぼる。

急激な最低賃金引き上げは零細企業にとって深刻な問題だ。2000年以降年平均8.7%も引き上げられてきた最低賃金を、一部の候補は2けた以上引き上げると約束している。文候補は2020年までに最低賃金を1時間あたり1万ウォンに引き上げると公約した。今年6470ウォンの最低賃金を1万ウォンに引き上げるには3年間、平均15.6%ずつ引き上げる必要がある。安候補も2022年までに最低賃金を1万ウォンに引き上げ案を提示した。

被害は自営業者と零細中小企業、そして所属勤労者が受ける可能性が高い。最低賃金適用対象の約90%がこの人たちであり、今でもこのうち18.2%(342万人)が最低賃金も受けていない。法を守れば大量失職事態を招くのは明らかだ。

公正取引委員会の専属告発権廃止も問題だ。専属告発権の廃止は大企業の不公正行為をなくすという趣旨だが、告発された企業の84%が中小・中堅企業という。法律的対応力が脆弱な中小企業が厳しくなると予想される。

候補らは中小企業を育成するというが、中小企業を締めつける政策が公約のあちこちに存在する。本当に中小企業の育成を考えるのなら、労働力難を減らす勤労者派遣制の許容拡大など雇用の柔軟性を高める案を先に検討する必要がある。中小企業を後押しすると言いながら、労組など特定階層の利益を代弁して勤労時間の短縮などを強行し、中小企業の成長を害する愚を犯してはいけない。