韓経:産業化を牽引した韓国科学技術の力、ベトナムに伝える

  • 2017年4月12日

「ベトナムは韓国の科学技術発展モデルを導入して産業化を進め、国家研究開発(R&D)システムを全面的に改編しようとしている。そのため韓国科学技術研究院(KIST)のような研究所を望んでいる」。

琴同和(クム・ドンファ)元KIST院長(66)が11日、ベトナム初の産業技術総合研究所VKISTの初代院長に選任された。VKISTとは、韓国政府が2019年までに391億ウォン(約37億円)を無償支援し、ベトナム・ハノイの西側30キロにあるホアラクハイテクパークに設立する総合研究所だ。2012年3月に訪韓したベトナムのグエン・タン・ズン首相が韓国の科学技術力を伝授してほしいと要請し、事業が始まった。1966年に設立され、韓国の産業化を操り上げたKISTをモデルとし、「ベトナム版KIST」と呼ばれる。研究所の名称もベトナム政府が決めた。

琴院長は「VKIST設立に対するベトナム政府と社会の期待は、韓国に初めてKISTが設立された当時に劣らない」とし「KIST設立を主導し、初代院長を務めた故チェ・ヒョンソプ博士の心情が分かる」と話した。ベトナム政府は琴院長に首都ハノイにある科学技術部庁舎の長官室の隣に事務室を準備した。次官レベルで待遇したのだ。

琴院長はソウル大金属工学科を卒業し、米スタンフォード大で博士学位を取得した。1985年からKISTで勤務し、2006年に院長に就任した。32年間にわたりKISTで勤務した琴院長はVKIST運営の適任者だ。

琴院長は5年間の任期中にやるべきことが多い。VKISTはベトナムに初めて設立される研究所ではない。ベトナムには共産体制に入って設立され、40年以上も経つ研究所が30カ所ほどある。しかし主に論文のための研究だけをし、研究の成果も周辺国に比べてかなり遅れている。R&D投資も韓国の30分の1にしかならない。何よりも人材の誘致が問題だ。

「KISTが設立初期、米国留学中だった若い科学者を連れてきたように、ベトナム政府も海外であれ国内であれ嘱望される人材を選んで配置することを望んでいる。当時誘致した科学者が韓国の化学工業と電子産業を起こした点に注目している」。

VKIST建設費を除いた研究開発費と運営費が確保されていない点も琴院長には大きな課題だ。「韓国はKISTを設立し、全面的な支援をするために特別法を作った。共産国でこうした特恵はない。研究費を確保するには他の研究所と激しい競争をしなければいけない」。

またベトナム政府はVKISTを通じて情報技術(IT)とバイオ技術(BT)を重点的に育成する計画だ。ベトナムの農水産業が発展している点を勘案し、作物と野菜、水産物を安全に運送する先端物流技術の開発にも取り組むことにした。

琴院長は最近、50年以上前の報告書を見ている。KIST設立当時の悪条件と逆境を乗り越えていく苦痛の過程がそのまま表れている。「ベトナム政府の院長の話を受諾した理由は今でもよく分からない。おそらくKISTという名前が入っていなければ受けていなかったと思う。とはいえ、韓国をモデルにして国のR&Dシステムを変えようとするベトナムの挑戦を一緒にできてうれしく思う」。