韓経:【コラム】韓国の教育、これ以上は持続可能でない

  • 2017年4月7日

韓国の教育生態系の持続可能性は今まさに臨界点に向かっている。韓国の教育生態系は外部の革新的変化と衝撃で崩壊する前に、自らの矛盾と葛藤で内破する公算が大きい。昨今の韓国教育が持続不可能な理由は3つの次元で指摘できる。

最初に、教育システムがすべての国民に抱かせる精神的負担と社会経済的費用で、現在の教育モデルは公教育・私教育を問わず限界状況に到達している。社会経済的費用の最大の悩みはもちろん天井知らずの私教育費だ。しかし社会的に認められるために絶対的となった大学卒業証書、それよりも死活がかかる学歴と学閥という「象徴資本」を取得するために、大韓民国の人々が受ける心的苦痛と社会的消耗は貨幣価値に換算できないより大きな費用といえる。

2つ目、小学校から大学まですべてのものを画一化した点数で並べる序列中心のピラミッドモデルで、生徒はもちろん保護者までが手段と方法を問わず相手に勝つことを至上課題とする。こうした教育目標で育てられる人間型は徹底的な利己的個人とモナド(monad)のほかに期待できるものはない。ただ、自分自身と自分の子どもの立身出世だけを望む利己的精神が広まった社会が内包する道徳的な脆弱性は社会統合と発展に致命的な障害物だ。こうした利己的な人間型は韓国社会では成功ストーリーを描くかもしれないが、人類社会に寄与できる普遍的人間像とは距離があるだけでなく、利他的精神に立脚して自分の知識を善用し、新しい価値を創出できる世界に誇れるような人材になる確率は低い。

3つ目、韓国教育の致命的な限界は創意性の欠如だ。より露骨に言えば、韓国教育は創意性とかけ離れているだけでなく、世界的な動向で見るとむしろ逆行している状況だ。例えば大学総長をはじめとする専門家が創意性の芽を基本的に摘み取ってしまう大学修学能力試験(日本の大学入試センター試験に相当)の問題点について必死に警告のメッセージを送っても、現実はむしろ修学能力試験に関連した私教育市場の好況と入試産業の主軸の国家出題機関が管理する試験出題の工学技術だけが進化するだけだ。筆者が試しに解いてみた大学修学能力試験の言語科目は、創意性の次元はさておき、受験生を相手に実験レベルの極限の集中力と超人的な速度で問題の解決を要求するという点で教育人権レベルで扱うほどのものだ。

韓国の教育の持続不可能性として提示した3つの要因に対する原因の分析と代案、合理的な解決策をいくら提示しても、教育の現実に表れる不変の慣性の原因と解決策などを説明しようとすれば、数千人の学者と専門家が国家的議題として解いても時間が足りないだろう。

最近になって新聞などを通じて、私教育費を深刻な国民的問題として提示し、専門家らがさまざまな解決法を出しているが、現実的に実現可能なものは見つけるのが難しい。例えば、第4次産業革命時代には私教育で学ぶ知識は使い道がないのでお金と時間の浪費をするなという助言は、筆者が見るにほとんどユートピア的だ。韓国教育の場で最大の関心事は学校の成績と大学修学能力試験のゲームで絶対勝者になることであり、教育内容の弁別性と創意性は最初から関心事から押し出されている。名門大学の学位と象徴資本を取得するのが目標であり、教育の内容と方法に対する本質的な問題意識が入り込む余地がないからだ。高得点者が象徴資本、良質の職業、年俸、名誉と富などを独占するピラミッド型寡占システムで人材の多様性と真の価値の追求は空念仏に近い。しかも生活の質を脅かす私教育費と非人間的な成績競争による教育システムの崩壊は、結婚忌避や世界最低出生率と直結する韓国社会システムの総体を侵食する切迫した事案だ。私教育費問題に対する具体的な解決策が急がれる。

金聖道(キム・ソンド)/高麗(コリョ)大教授/言語学