韓経:【コラム】韓国、トランプ氏の為替圧迫だけは阻止を

  • 2017年4月7日

米国財務省は今月中旬に「為替操作国」を指定し、発表する。米国通商のスペシャリストによると、韓国はことし為替操作国に指定される可能性がかなり高いという。米通商代表部(USTR)が、米国が締結したすべての通商条約を原点から見直すと明らかにする中、特に北米自由貿易協定(NAFTA)と韓米FTAをその例に挙げていて、この二種類の通商条約に対する再交渉要求は既成事実化しているような雰囲気だ。このような全方向からの通商圧力や関税政策で米国の対外貿易赤字は本当に減るのだろうか? 短期的には影響はあるだろうが、長期的には原点に回帰すると理論は教えている。

貿易赤字はそれ自体が原因ではない。国の経済は投資に比べて貯蓄(民間貯蓄および政府貯蓄)が少ない時にその結果が貿易赤字として出てくる。

ではトランプ政府が採択しようとしている通商や関税政策などがこのような米国企業の投資決定や一人一人または政府の消費形態を変化させるだろうか? 長期的にはこれといって影響を与えることができないだろうというのが支配的な見方だ。そうなったらどうなるだろうか? 為替レートが通商政策などの影響をそのまま吸収してしまい、米国の貿易赤字は原状復帰してしまうというのがその結論だ。

たとえば、米国が現在議論の的になっている国境調整税を導入したと仮定しよう。そうすると米国が輸入する物品には税金と同じくらいのペナルティが課され、輸出する物品には税制優遇が与えられるので輸出が促進されて輸入が抑制される。しかし、その結果はすぐにドル貨幣の需要を呼ぶためドル高となる。ドル高はそのまま国境調整税の影響を相殺させるだけに終わるので、結局トランプ政府が推進する為替圧力および通商政策は本来の貿易赤字に回帰してしまうだろうという結論だ。

米国の対外貿易赤字は基軸通貨を持つ米国の宿命とも言える。貿易赤字を解消するということは、ドルという紙幣を印刷して海外から物を持ち込むことができる強大な権限を自ら手放すということだが、どちら側が米国の国益に資するだろうか? すなわち、貿易赤字およびそれによる製造業の雇用喪失は、発券力を持つ米国が享受する豊かさに対する最小限の代価と見なければならない。

ではトランプ政府はなぜ減らすこともできない貿易赤字の縮小を推進するのだろうか。まず、通商政策や国境調整税などが、ドル高になっても最小限の為替操作国圧力等を通してその期間を相当期間猶予させることができるという考えだ。そのような場合、少なくとも自身の任期には貿易赤字縮小およびそれによる製造業の回帰を試みることができるという計算が見え隠れする。次に、為替が通商政策の効果を吸収してしまっても、少なくとも業種間の雇用変化のようなマイクロ効果は期待できるという点だ。

貿易赤字は元の状態に戻っても結果的に高所得層であるサービス業の雇用が減って自身を支持する階層である「ラストベルト」の製造業雇用は増やす結果を産めると見るということだ。この点が最も本質的な部分ではないか考えられる。

相手方が何を欲しているか分かれば、交渉はしやすくなる。では、私たちはどのように対処しなければならないだろうか。まず、対米貿易黒字を短期的になくす場合があっても為替圧力は防がなければならない。米国が韓国の輸出で占める比率は13%水準だが、ウォンの高になればその影響は韓国に及ぶだめだ。次に、韓米FTA再協議要求は、米国が窮極的に望んでいる米国内製造業雇用をどのように満たすことかという側面からアプローチしなければならない。そのような側面での対応カードを用意して最大限、韓米FTA再交渉を遅らせながらNAFTA再協議状況を見守ることが重要だ。新しく発足する韓国新政府の悩みが大きくならざるをえない。

ハ・テヒョン/前現代経済研究院長