韓経:【社説】THAAD報復で苦痛の企業も長期的な視点を持とう

  • 2017年3月7日

THAAD(高高度ミサイル防衛体系)配備決定に対する中国の稚拙で執拗な報復は度が過ぎる。韓国内の一部でもこれに同調する反応がなくはない。野党の無責任な扇動と一部のメディアの過度な「中国フォビア」が増幅していくのが残念だ。少数ではあるが、韓国企業の中にもそのような気流が見える。親中性向の野党に同調したり、内部分裂を狙う中国の見え透いた脅迫に怖気づけば、悪化した状況は早期好転が難しいかもしれない。企業関係者も目の前の不便と利益ではなく、大韓民国の将来を考える「事業報国」の大命題を忘れてはいけない。

韓国旅行商品販売禁止に続き、中国内のロッテマート23店舗を消防安全法違反というもので1カ月の営業停止にした中国の措置は非難されて当然だ。世界が報復の不当性を糾弾するだろう。ちょうど昨日発表された世界経済フォーラム(WEF)の世界貿易関連報告書で中国の「市場アクセス」が136カ国のうち126位と最下位圏だったのは偶然でない。

中国の開放意志や差別のない市場システムに対する約束違反を叱責するのも牛に経文だ。韓国政府は相応の措置を取っていく準備を急ぐべきだ。手放しにすれば経済は経済で、安保は安保で損をする可能性が高い。まず政府は中国に対する「市場経済地位(MES)」認定から取り消し、これを公表する必要がある。盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権だった2005年、中国の要求に呼応してMESを認めたのは、中国も開放された市場体制の一員になると期待したからだった。しかし今の中国の形態は正反対だ。我々は中国のこうした態度を国際社会にはっきりと知らせる義務も持つ。

企業も目の前の小さな困難を乗り越えなければいけない。日本は尖閣諸島問題に関連したレアアース(希土類)封鎖などをすべて克服し、フィリピンやシンガポールも中国との激しい外交葛藤を乗り越えた。ベトナムは事実上の戦争までして今では経済も貿易もすべて正常化した。韓国がこれを乗り越えられなければ国際的な笑い者になるだろう。ロッテもTHAAD敷地に関連する必要な決定を遅らせたことで事態を膨らませた側面がなくはないという点を忘れてはいけない。当然のことは当然対応するべきであり、周囲を眺めながら機会をのぞいてばかりでは困る。

我々は自由な企業活動を最大限に支持する。企業に国籍がないという言葉も認める。しかしそのような価値を基本的に無視する中国のTHAAD報復に同調するのは決して同意できない。中国のTHAAD報復こそ貿易の自由と企業の自由を根本的に否定し、破壊するものだ。

開城(ケソン)工業団地の問題も本質は同じだ。ただ核とミサイルで国際社会に対抗している北朝鮮は昨日、22日ぶりにまた4発のミサイルを1000キロ飛ばした。このような金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長体制をあえて無視して開城工業団地を経営することはできない。開城工業団地の再開という言葉が出ること自体がとんでもない。一部の大統領候補の問題のようだが、便乗する企業関係者も同じだ。13カ月前の開城工業団地閉鎖直前のように開城工業団地で働く韓国人がもし人質にでもなれば、それは悔やんでも悔やみきれないだろう。

国家間の紛争に巻き込まれる時、企業関係者は大きな困難に耐えなければいけない。中国人観光客の減少と突然の限韓令で非常に苦しい企業もあるはずだ。まさにこうした点で中国に対する怒りはさらに強くなる。個別企業では合理的な決定でも国家社会、すなわち全体の自由と土台を揺るがすことがあってはならない。自由を否定する自由は存在しにくい。中国の圧力が過激になっている今、我々が改めて記憶しておくべき価値だ。企業も耐えるべき時はそうしなければいけない。鄭周永(チョン・ジュヨン)現代グループ創業者、李秉チョル(イ・ビョンチョル)サムスングループ創業者の「事業報国」スローガンを思い出す今日このごろだ。