韓経:コリアディスカウント要因に浮上した「中国リスク」…時価総額27兆ウォン蒸発

  • 2017年3月6日

中国が韓国の経済・株式市場の新たな「コリアディスカウント」(ファンダメンタルズ以下に通貨切り下げを受ける現象)要因に浮上している。中国の「THAAD(高高度ミサイル防衛体系)報復」で被害が予想される業種の時価総額がこの半年間に27兆ウォン(約2兆7000億円)も「蒸発」したからだ。「チャイナリスク」は南北間の軍事的緊張など従来の「コリアディスカウント」要因に比べて実質的で持続的な打撃を与えていて注目される。

◆衝撃波、化粧品・免税店・エンターの順

韓国経済新聞が金融情報会社エフエヌガイドに依頼してエンターテイメント・化粧品・旅行・免税店・レジャーなどの業種の65銘柄を分析した結果、韓国政府がTHAAD配備を発表した昨年7月8日以降の約6カ月間、これら上場企業の時価総額から約27兆4968億ウォン(約2兆7000億円、時価総額の28%)が消えた。

化粧品、免税店・レジャー業種の時価総額減少幅が最も大きかった。中国政府が自国経済への影響が小さい文化・観光部門で経済報復を始めているからだ。22の化粧品上場企業の時価総額は昨年7月8日以降、22兆6185億ウォン(34%)減少した。続いて免税店・レジャー業種10社の時価総額は同じ期間に2兆8220億ウォン(18%)、エンターテイメント業種30社は2兆1018億ウォン(15%)減少した。

◆「北朝鮮の挑発では数日後に回復したが…」

チャイナリスクは北朝鮮の核実験など従来のコリアディスカウント要因よりも衝撃波が大きいという診断だ。過去には北朝鮮の挑発があっても数日後には株価が回復したが、今回のチャイナリスクは違う。中国の経済報復が続くたびに関連株の株価が急落し、回復しない。

専門家は韓国の輸出の中国依存度が輸出全体の25%に達するうえ、貿易関連イシューの敏感度が韓中間でははるかに大きいからだと診断した。中国は韓国輸出企業の「第2の内需市場」といえる。ク・ヨンウク未来アセット大宇リサーチセンター長は「今回の中国の経済報復による韓国株式市場の急落は、安保のための決定が株式市場に負担になったという点でコリアディスカウントの拡張版」と分析した。

市場専門家は現在9倍後半の韓国株式市場全体の株価収益比率(PER)がチャイナリスクのため9倍以下に落ちることを懸念している。大幅に増えている上場企業の利益で株価指数の上昇が注目されているが、時ならぬ中国発コリアディスカウントが制約要因として作用する可能性があるということだ。

◆THAADの波紋を懸念

「THAAD波紋」の解消時点として期待されるのはまず、4月に予定されたトランプ大統領と習近平国家主席の米中首脳会談だ。会談で両国首脳の間に友好的な雰囲気が形成され、THAAD葛藤解消のきっかけができれば、韓国に対する中国の経済報復の程度が弱まる可能性がある。来月発表される上場企業の1-3月期の実績も注目される。イ・ギョンス・メリッツ総合金融証券リサーチセンター長は「中国の経済報復措置は企業のファンダメンタルズと関係がないという楽観論がある半面、大きな衝撃を受けるという悲観論も存在する」とし「1-3月期の実績が悪化すれば株式市場にもう一度大きな衝撃があるだろう」と憂慮した。

首脳会談などでもTHAAD問題が解決されなければ、中国共産党全国代表大会が開かれる10月まで経済報復は持続または強まる可能性が高いという見方がある。キウム証券のホン・チュンウク研究員は「5年ぶりの党大会を控えている習主席がTHAAD配備を口実に反韓感情を刺激し、国内世論の集結を誘導する可能性もある」とし「この場合、少なくとも年末までは韓国企業に対する否定的な経済報復措置が散発的に出てくるだろう」と予想した。