韓経:【時論】韓国、国家R&Dなく半導体の未来はない

  • 2017年2月28日

1月に米国大統領科学技術政策諮問委員会(PCAST)の名義で「米国の長期的な半導体技術優位保障」に関する政策提案書が出てきた。この提案書の作成のためにワーキンググループが組織されたが、米半導体企業の最高経営責任者(CEO)が多数参加した。

提案書の核心は3つに要約される。一つ目、中国政府レベルの半導体育成政策の危険性と問題点を分析し、米国半導体産業への影響を遮断するために可能なあらゆる政策手段を動員する。二つ目、中国との超技術格差を維持する。三つ目、半導体だけでなく全産業に波及効果が大きい基盤技術を選定し、集中支援する。

この提案書は韓国の現実にそのまま適用するには無理な内容もある。しかしこの提案書全体の要旨は韓国にもそのまま適用される。米国で半導体産業の発展過程は自動車、石油化学など他の産業とは明確に違った。すなわち、半導体産業は政府が学界を長期間支援して得た基礎・核心技術を基盤に産業界が形成された。最高の先端技術がすべてのものを左右する半導体産業の特性を考えると当然のことであり、今後もそうするだろう。したがって政府は半導体関連の学界への支援をさらに強化し、優秀人材を輩出し、最高の技術を開発し、超格差を維持するのが重要ということだ。

筆者が注目した事実は、こうした内容が学界ではなく半導体関連企業と政府にいる人たちの意見という点だ。企業の利益と立場を重要視するトランプ政権は、この政策の提案を受け入れ、米国の半導体技術の超格差を維持しようという政策を立てて実行するに違いない。

韓国はどうか。「政府の先に研究開発(R&D)投資、後に産業化」公式は韓国にも適用され、1990年代のG7プロジェクトを通じたメガバイト(MB)級DRAM開発事業はメモリー半導体開発の礎石になった。こうした政策的な後押しで大学で半導体は最高の研究分野に浮上し、最高の技術人材を輩出し、現在のメモリー超強国の地位を確立した。しかし最近はこうした政策基調が急変している。現在、政府の半導体分野R&D規模は非常に少ない。優秀な教授を確保するのが難しく、すでに大学では半導体分野の研究が急減し、産業が要求する高級人材の供給にも深刻な支障が生じている。

政府は限定されたR&Dの財源を新しく浮上する産業を支援するところに使われるべきだという。例えば国家科学技術諮問委員会でも半導体関連分野の政府R&D投資提案は返戻されることが多い。韓国半導体産業は成熟期に入り、サムスン電子、SKハイニックスなどが莫大な利益を出しているため、産業界が学界を支援するべきということだ。しかし企業は短期の成果を中心に投資するしかない。大学に研究費を投資し、その結果が出るには10年かかるか20年かかるか分からない。毎年、自分の去就も不透明なCEOとしては投資するのが難しい。したがってこれら企業から税金を徴収する政府がその一部を半導体に再投資するのがより有効であり、社会正義に合うと考えられる。

半導体分野で中国の浮上はやむを得ない。ただ、韓国は米国政府のように苦労して確立したメモリー半導体技術の超格差を維持するために政策的に対応する必要がある。今後メモリー半導体の重要性はさらに強まるだろう。メモリー事業の国際競争力強化がビッグデータ、人工知能、モノのインターネットなど新しい情報技術(IT)産業を技術的、経済的に後押しするというのは周知の事実だ。韓国にとって不幸な点は、中国がメモリー半導体市場を正照準しているという点だ。優秀人材を輩出して技術格差を維持することが、これに対処する唯一の道となる。したがって政府の半導体R&D政策は見直されなければいけない。

黄哲盛(ファン・チョルソン)ソウル大教授・材料工学