西側企業が去ったロシアに日本・中国が進出(1)

  • 2015年5月12日

先月末、ロシアの首都モスクワ市内ではあちこちで建設工事が行われていた。昨年のルーブル貨幣の暴落で輸入建築材の価格が暴騰して中断したショッピングモールの工事が少しずつ再開されていた。市内で会った会社員は「1年前に比べて20%ほど上がった昼食代は依然として負担だが、経済危機の衝撃からは確実に抜け出した感じ」と話した。

国際原油価格の急落と西側の経済制裁が重なって揺れたロシア経済が安定を取り戻しつつある。ウクライナ事態をめぐる緊張感が緩和され、国際原油価格も反騰しているからだ。昨年の経済危機でグローバル企業が抜けたところは中国・日本企業が速やかに満たしている。

◆安定を取り戻すロシア経済

昨年ロシア経済は債務不履行(デフォルト)の声が出るほど深刻だった。財政収入の約50%を占める原油の価格は、米国のシェール革命による供給過剰懸念から昨年下半期、西部テキサス原油(WTI)基準で50%以上も急落した。昨年7月からはウクライナ事態に関連して米国と欧州連合(EU)の経済制裁が始まった。世界格付け機関の格下げ警告が続き、1ドル=30ルーブル台を維持していたルーブル貨幣は昨年末1ドル=70ルーブルまで値下がりした。

経済危機による売上高減少と為替変動による収益性悪化で、グローバル企業はロシアで事業縮小または工場閉鎖を決めた。米自動車会社ゼネラルモーターズ(GM)はロシア現地の生産ラインを止め、コカコーラとペプシコ、デンマークのビール会社カールスバーグも工場閉鎖と事業縮小を決めた。

雰囲気が変わり始めたのは先月からだ。昨年3月にクリミア自治共和国が住民投票でロシア帰属を決めて触発したウクライナ内戦が小康状態に入った。原油価格は最近2カ月間に40%上昇し、1バレルあたり60ドルまで上がった。地政学的懸念が弱まり、原油価格の上昇と今年下半期の経済制裁解除の可能性まで浮上し、ルーブルは1ドル=50ルーブル台を回復した。