韓経:【時論】原子力政策、世界市場も眺めよう=韓国

  • 2017年2月16日

月城(ウォルソン)1号機の運転許可延長の取り消し処分、慶州(キョンジュ)地震による安全性問題、福島原発事故のトラウマなどで、原子力発電を懸念する世論が形成されている。過去40年間にわたり安定的な電力供給と気候変動対策に寄与した原子力が「危険」というフレームで厄介者扱いされているのではないかと思う。しかし原子力は世界的にその影響が関連するだけに、原子力政策は国内だけでなく国際的な状況も眺めて決めなければいけない。

最近の世界的な動向を見てみよう。スウェーデンは電力の40%を原子力で確保していて韓国と似ているが、福島事故後の原発閉鎖政策から従来の維持する方向へと旋回した。これを受け、従来の原発に代わる新規原発建設の可能性を開いておいた。経済協力開発機構(OECD)傘下の国際エネルギー機関(IEA)は50%の電力を担う原発をすべて閉鎖するというベルギーのエネルギー政策について「電力エネルギー安全保障と低炭素電力供給を深刻に脅かす」と助言した。

2015年に締結されたパリ国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)も、低炭素エネルギーの実現に向けて原子力の役割に改めて注目している。米国のニューヨーク州とイリノイ州は気候変動対応に重要なエネルギーとして原子力をクリーンエネルギー源に含めた。英国は再生可能エネルギーと原子力を2本の軸としてエネルギー政策を推進している。英国政府はフランス電力公社と中国核電グループが投資する2基の新規原発建設を承認し、11基の追加建設を計画している。このような英国の原子力市場に注目して日本は東芝と日立が現地合弁会社を設立して建設の準備をしたが、最近、米国に建設中の原発事業で予想以上の損失を出した東芝が撤退しようとした。すると英国はアラブ首長国連邦(UAE)に原発を建設中の韓国に対し、新古里(シンゴリ)3号機炉型の英国進出意向を打診しているという。これはUAEでの原発建設と新古里3号機竣工が世界的に韓国原発技術のブランド価値を確認させた証票といえる。今でも世界13カ国で60基の原発が建設中であり、福島原発事故後に停滞した世界原発市場は安全性を強化した新規原発を基礎に変化の転機にある。

韓国がこのような原子力技術を確保したのは、一貫した政策と持続的な建設により専門人的資源をはじめ、確実な技術基盤と資機材供給網を維持できたからだ。また、韓国の技術の安全性に対して国際的な信頼を得るために推進した米国原子力規制委員会の安全審査も大きなイシューなく予定通りに進み、来年には安全性評価が完了する見込みだ。フィンランド進出のために新古里3号機を欧州の電力産業と安全要件に合わせて補完した欧州型APR-1400も、フィンランド電力事業者の事情で中断したものの、欧州の基準にも合わせることができる技術力を見せた。さらにサウジアラビアは韓国が独自開発した小型原発SMARTの自国建設妥当性調査のために1億ドルを投資している。このように原発導入40年目に世界が注目する韓国の原子力技術が死蔵されるという政策的な愚を犯してはならない。

韓国は輸出で生きる国だ。原発のように検証された技術を要求する産業が国内で無視されれば、海外進出は遠のいてしまう。しかも新古里5、6号機をはじめ新しく推進される原発は従来の原発に比べてはるかに安全であり、さまざまな安全管理技術で武装している。古くなった原発は閉鎖しても、これに代わる新規原発に政策立案者が背を向ければ、苦労して築いた貴重な知識資産を失うのはもちろん、遠くを見ると気候変動という災難を未来に残すことにならないか心配だ。

チョン・ドンウク中央大教授・原子力工学