韓経:【コラム】トランプ氏が韓国大統領を招待すれば

  • 2017年2月15日

豪華別荘への招待、専用機のエアフォースワンに同乗、27ホールのゴルフラウンディング、それぞれ2回の昼食や晩餐、そして首脳会談直前の19秒間の長い握手。

ドナルド・トランプ米大統領と安倍晋三首相の10~12日、2泊3日間の出会いは世界的な話題を呼んだ。トランプ大統領は本人所有のマー・ア・ラゴリゾート(フロリダ州)に安倍首相夫婦を招待して超豪華なおもてなしをした。ツイッターに「安倍晋三首相を米国に招待して最高の時間を送っている」と書き込んだ。

会談が終わると、為替は円安に転じた。世界はうらやましい目で見た。英国のメディアでさえ「テリーザ・メイ首相が最初にトランプ大統領に会ったが、食事は一度で終わった」と比較して報じた。

韓国にとってはとうてい考えられないことだ。朴槿恵(パク・クネ)大統領は弾劾審判を待っている。だが、近いうちに国内の政治が安定を取り戻し、トランプ氏が韓国大統領をマー・ア・ラゴに招待したと仮定してみよう。残念ながらも、そのような場合にも韓国の大統領は招待に応じることができないだろう。

まず、請託禁止法〔金英蘭(キム・ヨンラン)法〕のためだ。安倍首相の訪米でも話題となったように、外国のトップがトランプ大統領の個人別荘に泊まって宿泊費を払ってはならない。大統領が外国トップから金銭を受け取ることを禁じた規定は米国憲法に基づいたものだ。さらに、米国政府が金を出せば、その税金がマー・ア・ラゴの所有主であるトランプ氏に入るので問題になる。

それでトランプ氏は安倍首相の宿泊費を本人が出した。だが、韓国大統領はこのような好意も受けることができない。金英蘭法に抵触するためだ。大統領も選出職公務員なので金英蘭法の対象であり、属人主義により海外でも法は適用される。そのうえ、費用を負担するという米国大統領は職務関連性のある人でもある。ゴルフ費用も同様だ。19代国会で請託禁止法を制定する時、外交に関連して免責条項を作らなければならないという主張もあったが、そのような条項は作られなかった。最近の状況を見れば、ゴルフやリゾート宿泊なしにそのまま会談だけを行うことも容易ではないようだ。安倍首相はトランプ大統領に「トヨタが100億ドル(約1兆1440億円)を投資するなど、日本企業が米国で雇用70万個を創り出す」という計画を明らかにした。だが、韓国の大統領は「韓国のある企業が米国にいつ、いくらを投資せよ」とは言いにくいだろう。首脳会談準備のために公務員が企業の担当者にこのようなことを頼めば、いつでもロビーや請託、外圧などと見なされる可能性がある。

サムスンとの金融持株会社設立、循環出資の解消などを話し合った金融委員会、公正取引委員会などは全部押収捜索の対象となり、委員長などは召還された。規制を担当する公務員が規制対象の企業と協議を行うのは当たり前だ。企業にとっても有権解釈を求めて「お目にかかり、ご説明を申し上げる」のは当然だ。だが、今のままなら、誰でも互いに会うことすらできないだろう。

人は社会的動物だ。互いに会って疎通しなければならない。この過程で不法行為がなされれば刑法によって処罰すれば良い。今は出会い自体を金英蘭法で規制している。合理的理由があるかどうかを問わずに会うこと自体をロビー、請託と疑う。法をつくる国会議員や官僚は市場を知らず、市場を分かる企業家は議員官僚に会うことができなければ、法と社会がまともに機能するだろうか。