韓経:【寄稿】トランプノミクスに迅速かつ柔軟な対応を

  • 2017年2月13日

発足したばかりのトランプ米政権が連日、ビッグニュースを出している。大統領選挙で掲げた「米国優先主義」が就任直後から通商・移民政策などで極端な行政命令措置として具体化する姿を、世界が強い懸念を抱いて眺めている。対米経済依存度が高い韓国は、何よりも強力な保護貿易措置に大きな影響を受けると予想される。

トランプ大統領の保護貿易主義はまずは中国とメキシコを狙っている。これらの国に通商圧力を加えて伝統の製造業を復活させ、雇用を創出するということだ。しかし米国が中国製品の輸入を制限すれば、中国だけが被害を受けるわけではない。対中輸出で中間財の比率が高い韓国も打撃を受ける。したがって最近の重要懸案である通商・為替など米国の対外政策の変化を注視しながら迅速に対応する戦略が要求される。

現地進出企業であれば現地化戦略を強化する契機にしよう。規制緩和、減税などトランプ政権が「ニンジン」として提示する長所を活用し、投資拡大および設備増設を考慮できる。最近、現代自動車が米国に新規投資をすると先制対応し、オースティンに半導体工場を稼働中のサムスン電子も家電製品工場の追加設立を検討している。このように米国を消費市場だけでなく生産拠点として接近することも必要だ。

輸出企業の観点では関税賦課予想品目に注意しなければいけない。貿易赤字解消の一環として高率の関税賦課が予想される特定品目や反ダンピングおよび相殺関税品目がこれに該当する。最近の韓国産化学製品の反ダンピング予備判定、3月末予定の国産鉄・鋼材の最終反ダンピング判定も安心できない。こうした通商圧力に対応するには、政府と業界で構成された官民共同対応体系を積極的に活用するべきだ。

輸出品目の多様化はいくら強調しても足りないほどだ。米国が通商圧力を加えようとしてもやむを得ず輸入するしかない品目がある。中・上層の増加による高級消費財の需要拡大を活用し、健康およびウェルビーイング市場を攻略することができる。また産業財市場は製造業の復活とインフラ投資の拡大で部品素材などに新しい輸出機会が生じる可能性があり、速やかに隙間市場を攻略することを勧める。

第4次産業革命時代に合わせて輸出パラダイムの果敢な転換も要求される。単純な商品輸出から抜け出し、商品とサービスを結合した高付加価値パッケージ型の輸出に体質を改善する必要がある。過去とは違い研究開発、デザイン、マーケティングなどと結合したサービス機能が融合して付加価値を創出する時代であるため、「トランプ大統領の米国」に合う輸出と投資連係型進出モデルの開発も求められる。

韓国をめぐる通商環境が急変している。米国の保護貿易主義とTHAAD(高高度ミサイル防衛体系)配備による中国の貿易報復が現実化している。強大国の貿易紛争の間で被害を減らすには名分より実利に立脚した迅速かつ柔軟な対応が要求される。さらに新保護主義に対応した未来志向的な生存戦略も必要だ。自国優先主義を旗幟に各国が貿易障壁を築いている。しかし米国の経済ジャーナリストのグレッグ・イブ氏が定義した「扉が付いたグローバル化(gated globe)」用語のように障壁には扉がある。各国の利害関係によって扉を開閉するため、利益の独占でなく共有の姿勢が重要だ。

年初から中国と米国をはじめ進出の機会を見つけようと慌ただしく動いている。現地貿易館長に特に「協力」と「互恵」を強調している。韓国の商品ばかり売ろうとするのではなく、該当国の観点でお互い利益になる戦略を注文している。輸出の回復が経済の再飛躍につながるよう保護貿易の波を賢く乗り越える戦略と準備が必要だ。

金在ホン(キム・ジェホン)KOTRA(大韓貿易投資振興公社)社長