韓経:「トランプ政権の保護貿易、韓国にも近く圧力…4月の米為替報告書が峠」

  • 2017年2月10日

ソウル西江大で9日に開幕した「2017経済学共同学術大会」の最大イシューは「トランプ新政権」だった。トランプ米大統領の保護貿易主義政策が韓国経済に重大な挑戦として浮上したという診断だ。経済学者は「大統領弾劾イシューで政治的な不確実性が高まっているが、このような時期であるほど政派を超えて危機に積極的に対処しなければいけない」と声をそろえた。経済外交を強化して対米黒字を減らす一方、積極的な財政政策で危機を克服する必要があるという助言だ。

◆「近く韓国にも圧力」

キム・ジョンシク延世大教授は「トランプ大統領は製造業の雇用を創出して国富の流出を防ぐという公約で当選しただけに、保護貿易を持続的に実行するはず」とし「輸出に依存する韓国が危機に直面した」と指摘した。この日、アジア金融学会と韓国国際金融学会が共同主催したセミナー「トランプ政権の経済政策変化と韓国の対応策」でだ。

キム教授は「輸出で所得が増えない中、内需活性化に乗り出せば、家計負債のためまた通貨危機リスクに露出するおそれがある」と懸念を表した。米国の財政拡大で米国の金利が急上昇すれば不動産バブルが崩壊する危険もあると述べた。金融と企業の問題が拡散すれば資本流出リスクにつながる。チェ・ヒユル京畿大教授は「米国が中国を為替操作国に指定すれば、韓国の対中国輸出も厳しくなる」とし「韓国の大統領選挙が終われば、米国が韓国にも直接的な圧力を加える可能性が高い」と予想した。政府が対処する時間は多くないということだ。

◆まずは4月の危機を乗り越えるべき

まずは4月が問題だ。米財務省が半期別為替報告書で韓国を「深層分析対象国」に指定すれば貿易制裁措置が可能になる。黄建日(ファン・ゴンイル)企画財政部国際金融政策局長は「深層分析対象国の指定を避けるために米政府側の人物に会い、我々の立場を伝えている」とし「対米黒字を減らすためにエネルギー輸入政策なども考慮中」と述べた。

経済学者も為替操作の疑いを晴らすために対米黒字を減らす必要があると助言した。キム・ジョンシク教授は「米国産のシェールガスと原油の輸入を増やす一方、不公正貿易の余地も減らすべきだ」と述べた。鉄鋼製品の反ダンピング関税賦課に対応して産業用電力料金賦課方式を改善する案も出した。

キム・インチョル成均館大名誉教授は「韓国ウォンは適正水準であり、為替操作とは距離があるという点を対外的に認められるよう努力しなければいけない」と政策当局の努力を強調した。

トランプ大統領の一言で揺れるウォン・ドル為替レートに対する懸念も提起された。ワン・ユンジョンSK経営経済研究所顧問は「米国の利上げと財政政策はドル高、トランプ大統領の希望はドル安であり、矛盾している」とし「為替レートは今後も不確実性が高い」と話した。

◆経済問題には超党派的な対応を

為替操作国の疑いまで受ければウォン高が進み、輸出企業が打撃を受ける。かといって通貨当局が介入してウォン安になれば、資本が流出する可能性がある。第2の通貨危機を防ぐにはマクロ政策を安定的に運営することが重要だと、経済学者は強調した。金利上昇の衝撃で家計負債発の金融不安定まで重ならないよう、通貨・財政政策を弾力的に組み合わせるべきだという注文だ。

チェ・ヒユル教授は「米利上げが始まっただけに韓国銀行(韓銀)の追加利下げは慎重にならしかない」とし「代わりに韓銀が金融仲介支援制度を通じて家計負債の負担を減らせば消費の促進に役立つだろう」と提案した。続いて「財政健全性は重要だが、政府が国家債務の基準に縛られて財政政策を自ら制約するべきではない」と強調した。このすべての課題を政治イシューが伏せてしまってはいけないと、学者らは指摘した。

オ・ジョングン建国大教授は「米国と中国が自国通貨を切り下げる『通貨安戦争』に飛び込めば、韓国は危機を迎える」とし「与野党が経済問題には超党派的に対応するという国民向けの宣言をする必要がある」と述べた。