韓経:【コラム】韓国大統領候補の経済知力、あまりにも低い

  • 2017年1月31日

長い間、空の太陽と月、星は地球を中心に軌道運動をした。空ではなく地球が回っているということは天体物理学の勉強の結果が積み上げられながら確立された知識だ。地動説以前の人々に地球が回っているということを納得させるのは不可能だった。市場経済原理を説明するのもそうだ。「競争こそが正しい」という規則を理解できない人は、市場は略奪であり、独占企業が中小企業を搾取し、企業家が消費者のポケットから取っていく一連の過程だと考える。価格はコストに適正利潤を加えたものでなければならず、取引は倫理規則に従うべきであり、国が市場の見張り役として監督の目を光らせなければいつも強者の規則が貫徹される弱肉強食になると、この人たちは考える。

経済民主化というスローガンのもと、韓国政界の集団経済知力が急激に低下しているのを見るのも苦しい。パパンドレウはハーバード経済学博士出身だった。彼は1970年代半ばの大統領選挙で「国民が望むものすべてを保障する。あの銀行に積まれたお金はすべて我々のものだ」と叫び、ギリシャの「ピョ(=票)ピュリズム」の基礎を作った。息子と孫も偽りのスローガンのバトンを引き継いだ。パパンドレウ一族は当時、自動車・造船などかなり競争力があった製造業の大半を国有化し、過度な福祉制度を作り、ギリシャが3流国家に進む財政破綻の道を整えた。

朴槿恵(パク・クネ)大統領を弾劾に追い込んで急いで大統領選挙局面を準備している政界は、みんなで経済民主化を経済政策の骨格にするという政綱政策を出した。中小企業を育成し、町内の商圏を保護し、政府が青年雇用を創出し、大企業の値下げ圧力を防ぎ、大企業の中小企業技術奪取を禁止し、大企業の所有経営体制を解体し、企業の過ちを厳罰に処するなどの経済民主化シーズン2を出すということだ。このような経済民主化公約は正義党から民主党、正しい政党、セヌリ党にいたるまで変わらない。では、こうした政策がもたらす結果は果たして何か。

富の不均衡、中小企業のゾンビ化、経済成長の後退、町内商圏の過当競争、悲鳴、不完全就業であり、あふれるのはアルバイトの場しかない、その結果の貧困と失業が川の水のように流れる醜い愚かな国だ。他の道はない。コスト削減をしないところで市場革新は不可能だ。コスト革新をした企業に納品の機会を与えることこそ経済的な正義が川の水のように流れるようにする唯一の道だ。熱心に勉強した学生に就職の機会が与えられるのも同じだ。激しい入社競争がなければ、誰かの電話1本で、誰かのコネで自分の職場が消えるということを意味するのであり、職場自体が自分に回ってくるわけではない。馬鹿でなければこのような考えはしないだろう。

コスト削減も同じだ。コスト削減を乗り越える企業こそが国際的な技術企業になることができ、世界的バリューチェーンを獲得できる。現代車やサムスン電子の一流納品企業はすべてそのような過酷な過程を乗り越えてきた。今するべきことは財閥を解体することではなく、財閥を50個、100個に育成することだ。大小の内需の中小企業ばかり育ててどんな良い職場を作るというのか。そのような職場を望む就職希望者は少ない。遊んで食べる大学でなく激しく競争する大学を作ってこそ、それにふさわしい高所得の職場を作ることができる。

市場経済こそが最も正しい経済規則だ。この点を受け入れなければ、国会の周辺をうろつく者たちが国の補助金を手にして町内の商圏を握ることになる。貧富の差は公平を追求した盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権の時に最も大きく広がったという事実を記憶するだけでもその事実を十分に知ることができる。大統領選候補の経済知力が疑わしい。馬鹿たちが踊る世の中だ。

鄭奎載(チョン・ギュジェ)主筆