韓経:【時論】規制緩和、千葉市の特区戦略から学ぼう=韓国

  • 2017年1月3日

2015年4月、日本首相官邸の屋上で小型ドローンが発見され、警護当局が非常事態を迎えた。ドローンに積まれていたペットボトルから放射線が検出されたからだ。誰かが日本政府の原発再稼働決定に抗議しようと飛ばしたと推定されたが、その後、日本国内のドローン飛行規制はさらに強化された。

この事件まで日本国内のドローン飛行は航空機航路で高さ150メートル未満、それ以外の地域では250メートル未満で可能だった。しかし現在、空港・港湾および人口密集地域はドローン禁止区域となり、それ以外の場所でも高さ150メートル以上の運航は不可能だ。ドローンは運航時、人から30メートル以上離れていなければならず、調整者の視野から外れてはならない。夜間飛行や物の投下、危険物の運送は当然禁止だ。日本も韓国と同じようにドローンに寛大な国ではない。

そのような日本でも千葉市はドローン事業のメッカに急浮上している。千葉市でドローン事業が急進展したのは、昨年1月に日本政府が国家戦略特区に指定したからだ。千葉市は東京港湾に隣接し、物流に有利な立地条件を持つ。近隣に日本の関門である成田空港があり、日本9大港湾に属する千葉港もある。これを考慮して日本政府は千葉市を戦略特区に指定、ドローン運航範囲を海上700メートル上空まで緩和し、港湾での試験飛行も認めた。

千葉市と関係者は多くの試験飛行をすることで、港湾・航空・船舶・漁船などに対する協力関係形成とデータ構築が可能になった。その結果、昨年4月に千葉市幕張商業地区から海上を渡って近隣公園まで行くドローンの宅配輸送試験運航が成功した。現在、千葉市は大型ドローンが東京湾の物流倉庫で物品を積んで幕張新都心まで輸送した後、小型ドローンが一般マンションに輸送できるよう規制の解除を関連省庁と議論中だ。千葉市は2019年に完工するマンションのベランダにドローンポストを設置し、ドローン専用宅配が可能になる計画だ。

こうした計画には住民の不安を解消するための配慮も含まれている。幕張新都心はドローンが東京湾から海を渡って花見川に沿って移動すれば到着できる地域であり、輸送時に地上を通過する必要がない。しかも幕張新都心は電線がすべて地下で配線され、最適な試験地域に選ばれた。

韓国はよく中国企業のドローン宅配技術が米アマゾンや独DHLより急速に発展している理由について、中国政府が各種安全問題や規制を一括で管理できるためだと指摘してきた。米国、カナダ、英国ではドローン宅配実証試験をしているが、規制のために商用化できないのが現実だ。しかし日本は似た状況でも特区という規制緩和政策を通じてドローン宅配の商用化を最初に実現できる環境を作った。

情報技術(IT)強国と自負してきた韓国の現実はどうか。ドローン、自動運転など第4次産業に関しては先進国に数年遅れていると評価される。第4次産業はまずデータベースを構築した企業が主導権を握る分野だ。千葉市の特区戦略は韓国に現実的で適切な規制緩和がどういうものかを悟らせる。残念なのは日本は東京圏を国家戦略特区の核心とする一方、韓国は地域発展の一環として発議された規制フリーゾーン法案で首都圏を除き、効率性を落としたという点だ。しかも首都圏まで除いて地方を配慮した規制フリーゾーン法案でありながらも、国会ではさまざまな理由で審議が進まず、その意味は半減せざるを得ない。

キム・ヒョンジョン韓国経済研究院研究委員