【社説】現代車労組、海外生産防ぐ前に生産性を高めるべき

  • 2015年5月15日

現代自動車の労働組合が、国内はもちろん海外の生産量までも労使の合意で決めることを今年の賃金団体交渉で主張する雰囲気だ。今は国内の生産量についてのみ合議制を運営してきたが、これを海外事業場にまで拡大するということだ。通常賃金拡大要求に続き、国内外の生産量調整までも労組が会社経営を引き受けるということだ。

本当にあきれる主張であり、明白な経営権侵害だ。現代車の国内生産比率が昨年の37.9%から2020年には28%まで落ちる見込みであり、この場合、雇用が不安定になるという主張だ。なんとか海外生産を防ぎ、国内工場の新・増設を要求する考えだ。しかし海外生産が増えることになった原因の提供者が労組ということを本当に知らないのだろうか。

現代車の韓国国内工場の生産性は1台あたりの投入時間、編成効率などで中国や米国など他の海外工場とは比較にならない。自動車1台の生産にかかる時間は国内では27.8時間だ。米国(14.8時間)やチェコ(15.7時間)の倍だ。さらに何かあればすぐにストライキに入り、雇用の世襲までも存在する。それでも生産職の年俸が1人あたり1億ウォン(約1100万円)に近い。誰が経営者でも、国内の生産を減らし、人件費が少なく生産性が高い海外生産を増やそうとするだろう。

国内外に関係なく自動車競争は日増しに激しくなっている。しかも現代車の国内市場シェアは最近40%前後に落ちている。米国市場シェアも2011年の5.1%から昨年は4.4%に減少した。現代車が米国第2工場、インド・ブラジル工場の新・増設を検討するのもこうした背景からだ。

労組は不当な経営干渉をする前に自らの既得権から手放すのが順序だ。海外生産の増加で雇用が心配になるのなら、世界最低レベルにある国内工場の生産性から引き上げる努力をする必要がある。会社の経営や工場の未来はどうなろうと、目の前の利益ばかり考えていれば共倒れするだけだ。現代車の労組は既得権労組の代表格に挙げられる。このような労組が他の国にあるだろうか。