韓経:【寄稿】発効1年の韓中FTA、両国経済協力の百年大計

  • 2016年12月21日

今年1年は世界景気沈滞と原油安、中国の経済失速などで、いつよりも輸出環境が厳しかった。しかし対内外的な困難が増えるほど、韓国の輸出の百年大計を新たに確立し、新しい輸出動力を創出できるよう骨身を削る革新が必要だ。

韓中自由貿易協定(FTA)発効から1年が経過した。その成果を評価するのはまだ早いが、韓中FTAは両国経済協力の支柱として韓国の対中輸出減少幅を縮小するのに大きな役割をした。

韓中FTA発効後の韓国の対中輸出は前年比10.9%減少したが、FTA恩恵品目の輸出は減少幅が前年比4%にとどまり、全体の対中輸出量も前年比11.4%増えた。FTAを通じて両国間の48時間内迅速通関体制が整い、全体的に中国輸出通関条件も改善された。さらに韓中FTAの発効を受け、韓国は全般的に厳しい貿易環境の中でも2013年から維持してきた中国輸入市場シェア1位を守ることができた。また、FTA発効後に急増すると懸念された中国産農産物の輸入は前年比2.1%減少した。むしろ参鶏湯(サムゲタン)とコメの対中輸出が始まり、韓国の農食品の対中輸出は前年比2.8%増えた。このほか、韓流と関係がある化粧品、衣類、乳児用品など消費財の対中輸出も増加し、FTA発効後に両国間の電子商取引の輸出も127%増えた。半導体、ディスプレーなど主力製品の輸出が振るわない状況で、農産物、消費財など新しい輸出品目の善戦はうれしい便りだ。

韓中FTAは中国の対韓投資増加、地方間の経済協力など、さまざまな分野で韓国経済に寄与している。1-9月の中国の対韓直接投資は8.5%増えた。投資分野も過去の不動産中心から高級消費財、文化コンテンツなどに進化している。中国企業の資本と流通網に韓国企業の技術力を活用する戦略的提携が増えている。

両国の地方経済協力モデル地域である仁川(インチョン)と威海は、それぞれ相手地域に代表事務所を開設した。両都市は先月、韓中FTA地方経済協力フォーラムを共同開催するなど、両国地方間の経済協力を強化している。韓中産業協力団地に指定されたセマングムに対中輸出基地を希望する投資家の関心も高まっている。日本の有名素材企業の東レはセマングムに3000億ウォン(約300億円)を投資し、スーパーエンジニアリングプラスチック生産工場を建設した。

さらに期待されるのはサービス・投資および政府調達分野の後続交渉を通じた中国市場進出機会の追加拡大だ。韓中FTAは発効後2年以内にネガティブ方式に基づくサービス・投資後続交渉を開始するよう規定している。これとともに韓中FTAは加入条項を設け、北朝鮮、台湾、香港、マカオなど別途の関税領域の協定加入の可能性を残しているため、協定の効果がさらに拡大し、北東アジア経済協力の制度的基盤となる可能性も期待される。

輸出環境が厳しくなるほど両国の企業の役割が重要になる。民間が韓中FTAを積極的に活用し、両国の経済関係がさらに強まれば、韓中両国の善隣友好関係も強まるだろう。このようにいかなる状況でも韓中FTAは両国の経済関係の疎通と協力を可能にする連結の輪であり、両国の50年、100年を考える百年大計であることを、韓国は忘れてはいけない。中国のことわざに「酒香不怕巷子深」というものがある。いくら隠そうとしても良いものは広く知られるという意味だ。歳月を重ねるほど韓中FTAが難しい両国関係を解決する、よくできた酒の香りのように広がることを期待する。

禹泰熙(ウ・テヒ)産業通商資源部第2次官