韓経:【コラム】誰が経済を立て直すというのか=韓国

  • 2016年12月15日

論争があった経済指令塔が整理されたようだ。黄教安(ファン・ギョアン)大統領権限代行が柳一鎬(ユ・イルホ)経済副首相の「留任」を決めたのだ。野党からは国会と議論していないという理由で一方的な人事権行使だと反発する声も聞こえる。しかし従来の体制を維持しただけだ。人事権を云々する対象にはならない。黄代行が大統領の職務が停止した現在の状況で任鍾龍(イム・ジョンリョン)金融委員長を経済副首相に選任したとすれば、それこそ不当な人事権行使としてし批判が爆発しただろう。

◆弾劾後も法治は変わらない

ひとまず野党は黄代行体制を認めることにしたようだ。数日前、野党代表が黄代行に会合を提案したのもこうした脈絡だ。しかし決して順調でない。

与・野・政協議体からそうだ。いわゆる「協治」で国政の空白を防ぎ、経済を立て直して民生に注力するという趣旨だが、この協議体の性格と役割は非常にあいまいだ。もちろん憲法上いかなる根拠もない。法的に権限がないのだ。国会議員が選出職であることを強調するが、国民が選挙を通じて付与したのは国会の議席であり、国政を直接運営する権限まで与えたのではない。三権分立が厳存する以上、立法府と行政府の領域は厳格に異なるということだ。

黄代行体制が認められるのは憲法に基づくからだ。それでも野党は与・野・政協議体で政策を決めるから黄代行体制は執行だけをするべきだと主張する。あたかも政権を握ったような野党と無能な与党が合意を前に出して国政を操る態勢だ。THAAD(高高度防衛ミサイル)、対北朝鮮問題などはなおさらそうだ。丁世均(チョン・セギュン)国会議長が国会が新しい国家システムを確立するべきだと主張するのも同じだ。しかし弾劾で停止したのは大統領の職務であり、国政運営基調が無効化されたのではない。そうでなければ野党が今まで政府・与党を相手に法案ディールをしたのは自己矛盾となる。国政運営の基調を変えるには国民の総意による選挙、すなわち大統領選挙を経なければいけない。政界は黄代行体制の過度な権限行使を牽制することはできるだろうが、協議体の超法規的な権限行使を要求するのは政治のことだけだ。

◆政治に対する不信はそのままだ

弾劾後も国会と政治に対する深い不信は変わっていない。今になってみんなが経済危機を話すが、その間、サービス産業発展法など経済活性化法、労働改革などがすべて国会で挫折した。朴槿恵(パク・クネ)政権の経済が失敗してこそ次の大統領選挙で有利になるという政略的な判断だったのだろう。最近の国政調査でも主要グループの会長に手をあげろと注文し、国際的な恥を自ら招いたのも国会だ。国会の過剰権力がピークの状況だ。韓国を代表する企業に対する国際社会と市場の評判悪化、国家イメージの失墜、韓国経済のリスク拡大のようなものは眼中にもない。

経済を亡ぼしたのはまさに政治であり国会だった。このような政治、このような国会が突然経済を立て直すというのだがら、どういう話なのか分からない。これほど多くの、いわゆる潜竜でさえも経済観、国政ビジョンがそれぞれ異なる。企画財政部は今まで新年の経済運用方向も出せずにいる。外に出てきた民心を政略的に利用して権力を奪って使おうとする勢力と陰謀は随所で蠢動する。国民は馬鹿ではない。政治が本当に経済を考えるなら、突然経済を回復させると話すのではなく、企業と市場を触らないと言わなければいけない。

文喜秀(ムン・ヒス)経済教育研究所長