韓経:【社説】最悪の企業環境にしておいて海外投資を責めるのか=韓国

  • 2016年12月8日

6日に開かれた財閥トップの国会聴聞会で、李完永(イ・ワンヨン)セヌリ党議員は「国内の大企業が外国に投資した資金の3分の1だけでも韓国に移せば就職問題が解決する」と主張した。李議員は「青年の就職が非常に難しいものになっているが、賃金が高い、または労使関係がよくないからといって採用ができないと考えるべきではない」と述べ、企業が雇用創出に「オールイン」するべきだ促した。

企業が海外に多くの投資をして青年の失業が深刻になったということだ。しかし李議員が指摘した青年失業の原因はもちろん、解決法ともに現実とかけ離れているという点を指摘せざるを得ない。青年失業の増加にはいくつか原因がある。成長率の低下、大卒者の増加、求職者の志望の変化、企業の海外投資増加などがすべて作用したと見なければいけない。ところが海外投資が主な原因であるかのように指摘したのは行き過ぎた拡大解釈だ。

より重要なのは世界で類例を探せないほど劣悪な韓国国内の企業環境だ。工場を一つ建設するにしても数百件にのぼる許認可手続きを踏む必要がある。高い人件費と強い労組、労働の硬直性で高コスト構造が固定化した。経済民主化、同伴成長という名のもとで政府が市場に介入し、くもの巣のような規制を量産する。反企業情緒が社会に蔓延し、企業家を犯罪人のように扱う。

さらに米国をはじめとする多くの国が法人税率引き下げと規制緩和で企業を誘致しようとする中、韓国政界はすぐに法人税率引き上げカードに触れて企業を脅迫する。こういう環境で誰が企業経営をしたいと思うだろうか。過去5年間に米国にUターンした企業は700社にのぼり、毎年6万件の雇用が創出されている。アディダスは24年ぶりにドイツに工場を建設している。一方、韓国のUターン企業は2013年の37社から今年は5社にすぎない。大企業は1つもない。

このように「最悪」の環境を作っておきながら企業を責めるのは矛盾している。さらに利益創出が目的の企業に「賃金や労使関係を考えずに採用しなさい」というのは話にならない。国会議員は企業を慈善団体と考えているようだ。