韓経:【コラム】韓国の家計消費、新興国より金利変動に敏感に反応

  • 2016年12月6日

景気の変動を説明する最も代表的な現代マクロ経済理論は「実体経済変動理論」だ。この理論は景気変動を外部の衝撃に家計や企業など個別経済主体が反応していく均衡過程で説明する。これは総需要の側面を強調したケインズ学派が説明できなかった1970年代の石油危機、1990年代の情報技術(IT)バブル崩壊などを分析するのに威力を発揮した。

景気変動理論を通じて明らかになった事実の一つは、全体的に消費の変動は所得の変動より緩やかということだ。最も代表的な現代消費理論によると、消費者(家計)は生涯、効用を最大化するために可能なら消費の流れを安定的に維持しようとする。例えば多くの人は現在リンゴ10個を食べて未来は何も食べることができないことより、現在9個を食べて未来に1個を食べることを好む。限界効用逓減の法則のためだ。何も食べることができない状況でリンゴ1個を食べることができる時に得る効用がより大きい。このような論理を繰り返せば、消費者は生涯、効用を最大化するために可能なら消費を大きな変動なく維持しようとする。

最近の研究によると、このように所得より消費の変動が小さい現象は主に先進国に表れている。新興国では逆に消費の変動が所得の変動より大きい。韓国も通貨危機の前後から最近まで消費の変動が所得の変動より大きかったことが分かった。

新興国の消費の変動が所得の変動より大きい理由に対する最初の仮説はこうだ。新興国の生産性を落とす衝撃が持続的に発生すれば、これは長期的に生産と所得にマイナスの影響を及ぼし、経済主体は稼ぐ所得より消費をより大きく減らす。2つ目は新興国は対内外要因で金融市場が不安定になる状況が多いため、利率変動幅が大きい分、家計の消費変動幅も大きくなるということだ。

こうした研究は主に中南米の国を対象にした分析の結果だ。しかし韓国経済は中南米の国とは性格が違う。従来の分析方法では所得変動幅に比べて消費変動幅が大きい韓国の状況を説明しにくい。

筆者は韓国の資料を分析して新しい仮説を提示した。韓国の利率変動は中南米の国など新興国より相対的に小さいが、小さな利率変動にもはるかに敏感に反応するということだ。対内外の変数により金融市場が不安定な中南米の新興国は利率変動が大きいため、やむを得ず消費の変動が大きくなるが、韓国は小さな利率変動でも消費の変動が大きい。また、韓国の生産性が落ちて経済成長率が低下すると予想されれば、韓国と国際利率の差を表す国家リスクプレミアムが高まる。この時、家計は実際の所得より消費をより多く減らすなど消費変動幅が大きくなる。

イ・ウホン慶煕大教授・経済学

◆このコラムは英ケンブリッジ大が出版する学術誌『マクロエコノミックダイナミクス』に2017年4月掲載予定の論文「実体経済変動理論は韓国の景気変動を説明できるのか」を要約したものです。