韓経:【コラム】経済コントロールタワーの復旧が急がれる=韓国

  • 2016年11月30日

何を書けばよいのだろうか。1987年の6月民主抗争後に民主化が進み、かなりの部分が除去されたと信じていた韓国政治の積弊がこのように素顔を表した状況で、何か書いたところで意味があるのだろうかという無気力に襲われる。

純粋経済学理論は一般均衡理論と部分均衡理論に区分される。一般均衡理論は経済変数間の相互作用を考慮し、すべての変数を内生的に決める。一方、部分均衡理論は一定の変数は外生的に与えられていると仮定し、残りの変数を内生的に決める。理論的完成度や一貫性の面で一般均衡理論がより好まれるモデルだが、現実を説明するには部分均衡理論が優れている場合が多い。問題は、部分均衡の場合、外生変数がなぜそのように動くのか理解できない状態で、ただ与えられたと仮定するため、そのような仮定のもとで導き出された解が経済的に本当に最適な解なのか分からないということだ。

どの国でも経済で政治は重要な変数だ。しかしほとんどの純粋経済学はこれを反映しなかったり、反映しても一種の制約条件として設定するにとどまる。それだけ政治状況を理論的にモデル化するのが難しいからだ。しかし今回の事態で政治が経済を揺るがす状況を見ると、今まで一般均衡だと信じてきた理論が単なる部分均衡にすぎないかもしれないと省みることになる。

そうだとしても経済はどうにか回っていかなければいけない。年末が近づく中、国内外の多くの研究機関が先を競って来年の経済見通しを出している。機関ごとに異なるが、予測値は2.2%から3.0%の間だ。したがって来年も3%の成長は厳しそうだ。

細部を見てみよう。韓国経済で最も大きな比率を占めている輸出の減少傾向は、サムスンのスマートフォン「ギャラクシーノート7」事態で大きく落ち込んだ時期を基準にしても明確な反騰を期待するのは難しいのが実情だ。トランプ氏が商務長官にウィルバー・ロス氏を指名すると予想されるが、ロス氏の性向から米国の保護貿易主義がさらに強まると考えられる。さらに中国の成長率が減速し、最近は韓流禁止論も露骨になり、対中国輸出も難航が予想される。

家計の所得が伸び悩む状況で負債が増加し、消費の低迷を免れるのは容易でない。昨年から2年連続で成長に寄与していた建設投資はもう力尽きたようだ。今年-3%台後半が予想される企業の設備投資が来年は反騰するかもしれないが、最近の政治状況で企業の果敢な投資を期待するのは難しいだろう。全体的に今年2%台後半と予想される成長率を民間部門の力で維持するのは容易でない。唯一頼れるのは財政支出の拡大だが、国政がオールストップしている現在の局面が打開されるまで長い時間が必要とみられる。

したがって全体的に見ると、来年の成長率は2%半ばなら善戦と評価できる。現在の状況は、成長率にこだわるよりも、むしろリスク管理に集中するべき時期だ。過去2年間、政府は副作用が大きい不動産浮揚策に集中し、これによってかろうじて2%台後半の成長率を牽引した。しかしこれによって増えた家計負債は韓国経済の基礎体力を低下させ、「トランプフレーション」期待で市場金利が暴騰し、もう一つのリスクになっている。不動産リスクは大きく金利リスクと価格下落リスクに分類できるが、金利リスクはすでに始まったと見るべきであり、問題は価格下落リスクもいつ現実化するか分からない。

そのほかにも限界企業問題などリスク要因が山積している。したがって現状況が打開されるまで政府は家計リスク管理および不良企業構造改革をはじめとするリスク管理に総力を傾けなければいけない時だ。政界が額を突き合わせて、少なくともこうしたリスク管理を主導できる経済コントロールタワーを復旧しなければいけない。そうしてこそ後に政治が安定した時、速やかな正常化が期待できるからだ。

アン・ドンヒョン資本市場研究院長