韓経:【コラム】大統領の危機を国の機会に=韓国

  • 2016年11月21日

12日、安倍晋三首相は日本を訪問したインドのモディ首相と3時間近く新幹線に乗って会談した。インドが建設しようとする高速鉄道の1区間505キロを受注したのに続き、残りの区間に対しても新幹線セールス外交をしたのだ。前日、両国は原子力協定を締結し、日本の原発をインドに輸出する道も開いた。

10日前、マレーシアのラザク首相とフィリピンのドゥテルテ大統領は夕食会の席で、カラオケの機器を使って一緒にポップソングを歌って話題になった。ロシアのプーチン大統領と安倍首相は来月、山口県の温泉で両国の懸案を整理する予定という。

このように各国の首脳外交は総力戦の様相を見せている。韓国はどうか。ペルーで開幕したアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に出席した黄教安(ファン・ギョアン)首相は開催国ペルーの大統領のほかにはどの首脳とも会えず、みすぼらしく帰途についた。ドバイが事業費5兆ウォン(約4670億円)を投資するとして仁川市と18カ月間にわたり推進していた「黔丹(コムダン)スマートシティ」事業が、数日前に白紙になったと伝えられた。

現職大統領が容疑者として立件された初の事態だ。一寸先が見えない政局に国民の心が離れた大統領とどの外国首脳が真剣に対話をしようとするだろうか。こうした局面が長続きしてはいけない。しかし大統領と政界は収拾を図るどころか対立状況に向かうようだ。まず大統領と与党指導部は依然として心を改めたり既得権を手放さないようだ。もちろんメディアが報道する多くの疑惑の中には知らなかったり誇張されたりしている点があり、悔しく思うこともあるだろう。また寝て起きれば言葉を変えて条件を付け加える野党の態度も憎く感じるのだろう。

しかしこのような事態を招いた主な責任は大統領と与党にある。特に最初の謝罪は嘘と明らかになり、2回目の謝罪での「捜査に積極的に協力する」という約束は遅い弁護士選任などでうやむやになった。今からでも怒った民心に逆らう言動は自制し、道理にかなう姿を見せることを望む。

野党も無責任だ。反射利益と逆風を天秤にかけながら難局を楽しむ格好だ。実体も明確でない「一線からの後退」とか責任首相を前に出し、最近は「条件のない退陣」に飛躍した。自分たちが提案した首相推薦に背を向け、党首会談を取り消し、「命だけは助ける」という脅迫まで登場した。婚外子疑惑を隠そうとして退いた人物を特別検事候補に挙げたことには言葉を失う。

時間をひたすら長引かせることはできない。大統領と政界は既得権、反射利益と党利党略をすべて捨てて、憲法の手続きに基づき秩序正しく難局を収拾する折衷点を探す必要がある。捜査の進展に基づいて大統領の重大な違法事項が確認されれば、国会はすぐに弾劾訴追に動かなければいけない。

これとともに大統領の危機を国の発展の機会に変えることが求められる。今日の混乱は新しい時代を開くための陣痛であり、1987年の憲政体制を終える試練でもある。今回の事態の原因でもある5年単任大統領制の弊害を正す権力構造改編を議題に上げなければいけない。その過程で現職大統領の任期を短縮する改憲案に合意することもできる。

頻繁な選挙の副作用を減らせるよう2022年から大統領選挙と地方選挙をともに行うことも検討することを望む。次の大統領が操り上げて就任し、その次の大統領から任期を4年に減らせばよい。与野党ともに不公正公認が再現されないように大統領の公認関与を制限するなど、透明な公認システム確立にも力を注がなければいけない。

企業に対する政府の干渉を減らすことも重要だ。大統領の企業個別面談、マンモス経済使節団の海外歴訪同行、寄付や出捐勧誘など旧式が消えてこそ先進経済に進入することができる。

朴宰完(パク・ジェワン)成均館大教授/韓半島先進化財団理事長