韓経:【コラム】歴史の変曲点に立った韓国

  • 2016年11月14日

世の中が騒々しい。国内では崔順実(チェ・スンシル)事態で、海外ではブレグジット(英国の欧州連合離脱)決定とドナルド・トランプ氏の米国大統領当選で…。特に欧州と米国で生じている状況を見ると、生活の問題の前ではいかなるものも重要でないものになってしまったようだ。さらに市民意識と大義名分、民主主義で代弁される近代社会が終末を告げている歴史の変曲点に我々が立っているという気がする。

しかし未来の世の中がいくら目まぐるしくても国民の生活は持続的に発展しなければいけない。大韓民国も自由民主主義国家として繁栄を続けなければいけない。世の中に対する洞察力と慧眼を持つ立派な指導者と良い政策が、発展する生活と繁栄する大韓民国のための必要条件であろう。

巨大談論(メタディスコース)から現実経済に目を向けよう。現在の経済的不安を緩和するための第一歩は、新しい経済副首相を一日も早く承認し、その経済副首相に経済を安定させることだ。新しい経済の首長は構造改革、保護貿易主義のような緊急懸案への対応策を至急用意しなければいけない。技術と産業が融合を通じて絶えず別の技術革新と産業を創出している第4次産業革命の進化が加速化している点に注目し、これを活用した新しい成長動力を探すことにもリーダーシップを発揮することが求められる。すなわち、繁栄を続ける大韓民国のための礎石を築く必要がある。

蒸気機関の開発が数千年間の農耕社会に終止符を打って資本主義時代を開いたこと以上に、第4次産業革命は社会全般と生活の領域にまで根本的な変化を予告している。その流れと本質を正確に読み、巨大な変化に備えることができるビジョンと戦略を樹立し、人工知能、モノのインターネット(IoT)、ビッグデータ、ロボット工学など第4次産業革命を主導する技術と市場獲得のための先制的な対応策の準備が要求される。

主要国とグローバル企業は時代的パラダイムの変化への対応を早くから催促してきた。米国はグーグルやテスラなどグローバル企業が主導する中で政府が政策的支援をしていて、ドイツは情報通信技術(ICT)を融合して伝統製造業を高度化する「インダストリー4.0」プロジェクトを稼働している。中国も政府の全面的な支援のもと、BAT(バイドゥ、アリババ、テンセント)を前に出して主導権を確保しようとしている。

韓国は第4次産業革命の準備で遅れている。世界経済フォーラムが発表した国別第4次産業革命準備レベルで韓国は世界25位にとどまった。韓国政府も9大国家戦略プロジェクトなど振興政策を樹立するなど努力しているが、まだ最初の段階だ。国会も最近の国政監査を見ると、依然として小さなイシューや企業締めつけにとどまっている。官民が向き合って産業競争力強化案を模索したり大胆なビジョンを提示するケースはあまり見られない。第4次産業革命の基幹産業であるICT産業でさらにそうだ。

第4次産業革命を牽引する主要技術革新と産業はICTを活用して展開している。しかし上半期にあった放送通信分野のM&A(企業の合併・買収)を見ても、未来の成長動力の発掘という時代的な課題は後まわしにされ、利害関係による葛藤と規制が依然として市場を支配していることを再確認させる。一方、95兆ウォン規模のAT&Tとタイム・ワーナー間のM&Aは、変化する環境に先制的に対応しようとする市場の躍動性をよく表す事例だ。

政府と国会、企業がすべて慣性的な規制、葛藤など旧態から脱することができなければ、第4次産業革命で取り残されるだろう。政府は過去とは違う政策方向性を提示し、産業生態系活性化のための制度を整備し、国会はこれを後押しする法制度基盤の構築に力を注がなければいけない。企業も従来のパイの奪い合いをやめ、新しい事業領域を探さなければならないだろう。

「第4次産業革命は韓国に挑戦でありチャンスだ。第4次産業革命に韓国がどれほど適切に対応するかによって韓国の運命が決まるだろう」。クラウス・シュワブ世界経済フォーラム会長の言葉だ。我々の準備と対応により結果は雲泥の差になるだろう。今からでも巨大な変化の流れを主導するため、新しい経済の首長を中心に衆知を集める必要がある。津波のように押し寄せる第4次産業革命は、混乱した時代の我々にとって生存のもう一つの名だ。

チョ・ミョンヒョン高麗大教授・経営学客員論説委員