韓経:韓国企業、「崔順実ゲート」飛び火で緊張(1)

  • 2016年11月4日

崔順実(チェ・スンシル)国政壟断疑惑事件の波紋が財界に広がり、関連企業が緊張している。ミル・Kスポーツ財団に774億ウォン(約70億円)を出した企業53社の関係者に対する検察の召喚が始まったからだ。これら企業は青瓦台の要請にやむをえず巨額を献納したところ、あたかも犯罪者のように捜査を受けることになった。見返りに特恵を受けていたのではという世論の厳しい視線も浴びている。「お金を取られ、検察の捜査を受け、政経癒着の疑いまでかけられても、悔しいという言葉一言も言いにくい状況」というのが財界関係者の声だ。

この関係者は「崔順実スキャンダルが海外メディアにも大きく報道され、関連企業はブランド価値に少なからず被害を受けている」とし「徹底した捜査で疑惑は糾明するものの、企業が仕事ができる雰囲気が早く整うことを望む」と述べた。

検察は3日、サムスン未来戦略室のキム専務を参考人として呼び、ミル・Kスポーツ財団に対する出捐について調べた。現代自動車の関係者もこの日呼ばれた。検察は来週初めまで、両財団に出捐した53社の関係者を順に呼んで全数調査する計画だという。2002年の大統領選挙資金捜査以来、最も多くの企業が検察の調べを受ける。

政界の一部では大企業トップの召喚も避けられないという言葉も出ていて、企業は緊張している。昨年7月24日に青瓦台で開かれた創造経済革新センター支援企業代表昼食会以降、朴槿恵(パク・クネ)大統領が行事に出席した大企業トップ17人のうち7人と別に単独面談したことが明らかになったからだ。

財界の関係者は「体育・文化振興という良い趣旨と大統領の関心事という話、実力者である経済首席秘書官の協力要請に知らんぷりできる企業があるのか」とし「ほとんどの企業は国税庁と公正取引委員会、検察など監査機関から苦しめられる覚悟をしない限り、両財団にお金を出すしかなかったはず」と述べた。

SK、ロッテ、ハンファ、CJなどオーナーが捜査を受けたり獄中生活をしているところが、ミル・Kスポーツ財団のほかにも多くの政権事業に多くのお金を出したのもそのためだ。両財団に出捐した53社の中には昨年赤字だった12社も含まれている。

しかしこうした話を企業が公然とするのは難しい。いかなる政治的報復があるか分からないからだ。このため検察の召喚を控えた企業関係者は「囚人のジレンマ」に陥っているという話も出ている。誰かが真実を話すかもしれないため緊張しているということだ。

◆政治リスクで企業「視界ゼロ」

乗馬協会の会長企業であるサムスン電子は困惑している。朴槿恵大統領の「秘線」とされる崔順実容疑者の娘チョン・ユラ氏のために180億ウォン(約16億円)台の支援計画を決め、35億ウォンを執行したという報道が続いているからだ。これに対する検察の捜査は本格化しておらず、まだ明確な証拠もないが、インターネットなどでは「サムスンがチョン・ユラを支援し、その代わりに特恵を受けるのでは」という話が出ている。

崔順実国政壟断に対する遅い捜査で批判を受けている検察が、サムスンを犠牲にして国民の公憤をなだめようとするのではという分析も出ている。サムスンは「検察の捜査に積極的に協力する」とし「捜査を経てすべての疑惑が晴れればよい」と述べた。

主要企業の関係者に対する検察の召喚はグローバル営業にも悪影響を及ぼす展望だ。韓国企業があたかも不正腐敗の温床のように報道されているからだ。一部の海外メディアは「ギャラクシーノート7の発火で苦しんでいるサムスン電子が、大統領関連の希代のスキャンダルにも絡んでいる」という形で報道している。

強まる国内政治リスクは株価や為替など経済全般の不安要因につながっている。政局の不安定で不確実性が高まり、企業は来年の事業・投資計画を出せずにいる。韓国経済新聞が先月末に30大グループを対象に実施したアンケート調査でも48.1%が「来年の事業計画の草案もできていない」で答えた。

ある経済研究所の関係者は「日本の失われた20年の再現を心配しなければいけないこの時期に企業までが揺れれば大変なことになる」とし「捜査を早期に終えて事実を明明白白にし、これ以上企業を政界の犠牲にしてはいけない」と話した。