韓経:【取材手帳】中国人の済州観光を独占する中国資本

  • 2016年10月7日

「団体で来る中国人観光客を迎え入れるには、多ければ販売額の50%を中国系の旅行会社に支払わなければいけない。それも『関係(コネ)』がなければ難しい」。

済州(チェジュ)で高麗人参販売店を経営する男性はため息をついた。この男性は「中国人観光客を客として迎えるという期待はすでにあきらめている」とし「済州は中国人ばかりが金を稼ぐ土地になってしまった」と吐露した。ある飲食店の経営者は「当初は看板を中国語で書き、メニューも中国語に変えるなど、いろいろと努力してみたが、効果がない」と語った。

中国人観光客は済州内にもう一つの島として定着していた。中国資本が掌握した済州観光産業の実態は奇形的だ。済州の商圏は2つの部類に分かれている。少数の「中国人団体観光客専用商店」と多数の「中国人個別観光客および韓国人向けの商店」だ。ある中国系旅行会社は済州に来る中国人団体観光客の90%ほどを握っている。この旅行会社は食事から宿泊、ショッピングにいたるまで、中国系企業または巨額のリベートを支払う企業にのみ観光客を送る。

多くの韓国人事業者は中国人観光客増加の恩恵をほとんど享受できない背景だ。済州を訪問する中国人観光客は過去5年間に3倍に増えたが、中国資本の独占が深刻になり、韓国人事業者が感じる疎外感はさらに強まった。ある飲食店経営者は「製品やサービスの品質で競争して中国系の企業に劣るのなら何も言うことはない」とし「しかし今の済州では競争する機会自体がないというのが問題」と語った。

政策当局も済州観光産業の構造的な問題をよく知っている。済州を訪問する観光客が年間1000万人を超えたが、2013年から提起されてきた問題だ。主務部処の文化体育観光部は「中国格安団体観光をなくす」と公言したが、大きな成果はない。

済州道庁も「中国系旅行会社の独占体制を解体し、道民が収入を得る機会を増やす」と話しているが、適当な手段を探せずにいる。韓国観光産業を高付加価値産業に変える作業が済州観光産業を正すことから始まることを望む。

マ・ジヘ記者