韓経:「韓国の科学者、論文への執着を捨ててこそノーベル賞見える」

  • 2016年10月6日

ランディ・シェクマン米UCバークレー教授

「韓国の科学者は自由なテーマとアイデアを出すように言っても、必ずどのような成果を出すという形で研究提案書を書く。こうした文化はアイデア一つを長期にわたり研究するうえでよくない」。

2013年にノーベル医学生理学賞を受賞したランディ・シェクマン米UCバークレー教授(ハワード・ヒューズ医学研究所研究員)は5日、延世(ヨンセ)大で開かれた記者懇談会で、「ノーベル賞を受けるほどの独歩的な研究結果を出そうとするなら、科学者が斬新なアイデアで長期間一つの研究をする風土を作ることが重要だ」と述べ、成果志向的評価文化に染まっている韓国科学文化を指摘した。

先月、基礎科学研究院(IBS)ナノ医学研究団の諮問委員に委嘱されたシェクマン教授は、延世大とIBSに研究コンサルティングをするため訪韓した。。シェクマン教授は生命活動に必要な物質が細胞内で流通する現象を解明する研究で、2人の米国科学者とともにノーベル医学生理学賞を共同受賞した。

シェクマン教授は審査委員として活動したサムスン未来技術育成財団の基礎科学支援事業で、韓国の科学者の研究提案書を見て驚いたという。財団側はいかなる基準も提示していないにもかかわらず、多くの科学者が影響力の大きい主要学術誌に数件の論文を出すという内容を書いていたからだ。シェクマン教授は「韓国の科学者が成果志向型評価文化に慣れた結果」と分析した。

成果主義の弊害で2014年に日本を騒がせたSTAP細胞論文ねつ造事態を事例に挙げた。日本理化学研究所のある研究員がネイチャーに単純な方法で万能細胞を作ることができるという論文を発表すると、科学界が沸いた。しかしわずか1カ月後に論文ねつ造という結論が出て、共著者が自殺するという悲劇につながった。シェクマン教授は「科学者が有名ジャーナルに論文を掲載しなければいけないという成果主義に執着し、研究の手続きと原則を忘却した事例」と話した。

シェクマン教授は成果主義文化の背後にサイエンスやセル、ネイチャーなど有名学術誌があると指摘した。シェクマン教授は「これら学術誌はほとんど興行のために論文を選択し、ジャーナルの影響力拡大に集中する」とし「今年ノーベル賞を受賞した大隅良典東京工業大教授が書いた論文さえもサイエンスやネイチャーに掲載されていない」と述べた。

シェクマン教授は「斬新な研究アイデアを発掘するには科学者の主導的な参加が重要」とし「誰でも論文を自由に出して科学者に厳正に評価されるインターネット基盤のオープンアクセスを通じて、より多くの斬新なアイデアを発掘することができるだろう」と助言した。