韓経:【コラム】韓進海運、見慣れない潮流…責任はどこに

  • 2016年9月20日

朴槿恵(パク・クネ)大統領の13日の国務会議での発言は記録しておくべきほどのものだった。「無責任」「モラルハザード」「経済被害」などの言葉が並んだ。韓進(ハンジン)海運の大株主に向けたものだった。「決して黙認しない」という発言まで出てきた。峻厳な批判、叱責、責任追及だった。普段は重義的な大統領の文法の限界を越える言語だった。しかし「それは違うのでは」という思いも同時に抱かせた。誰かが大統領に間違った報告しているという印象もあった。

会社が破綻したのは当然、経営の失敗だ。破綻する企業の所有経営者らは一様に愚かにも、いわゆる外部の金融専門家あるいは経営コンサルタントをスカウトしてCEOやCFOに就かせる。トルストイは不幸の原因はそれぞれだといったが、韓国企業破産の原因はほとんど似た理由を持つ。これは政治工学者をそばに置けば政治に失敗するのとまったく同じだ。現代グループもそうであり、韓進海運も大韓電線も熊津も東洋もそうだった。米国留学課程などで学んだ未熟な金融知識は企業を生産の主体でなく金融の主体と勘違いさせる。1997年の通貨危機後に生じた風潮でもあった。これは特に2世、3世の経営者に見られる流行病だ。華麗な金融技法が経営の妙味として近づき、現代商船や韓進海運ともに破局に向かって航海した。

しかし構造改革の責任は別の問題だ。法定管理後の事態は債権団と金融委員会の決定であり責任だ。「船に積まれた貨物に対する責任だけは最後まで果たさなければいけない」と話す時の責任は韓進海運に属するものであり、経営権を喪失した趙亮鎬(チョ・ヤンホ)会長や大韓航空にはない。いや、荷主であれ、債権者であれ、大株主であれ、大小の利害関係者の個別的請求権を全面的に中止させるのが法定管理である。法定管理では大株主であっても残余財産に対する請求権を持つにすぎない。

しかも大韓航空はすでにあまりにも多くの資金を企業回復と改善努力に注ぎ込み、海運の不振が航空の不振に転移する段階にまで経営が悪化した。大韓航空が有償増資永久債引き受けで8259億ウォン(約750億円)、(株)韓進が2351億ウォンなどグループで1兆2467億ウォン、韓進海運が自主的に9963億ウォンを調達したのは血のにじむような努力だった。法定管理が決定すると、大韓航空の株価がむしろ急騰したのは、不振の転移過程がすでに危険段階にあったという点をよく表している。ここからさらなる経営改善努力を要求するのは大韓航空までも危険にする重大な背任だ。

大統領は債権団の支援にも言及した。しかし債権団は日常的な商業貸出のほかに構造改革用の資金を支援したことはない。いや、特に支援したものがなかったため、むしろ法定管理に入れて急いで手を引こうとしたのだ。これこそが韓国構造改革市場の決定的な弱点だ。さらに産業銀行は債権団のモラルハザードを構造化する。経営改善努力で資金を注入する瞬間ごとに債権団は徹底的に最後の一滴の血まで吸い取る吸血コウモリの役割をお互い競争することになる。問題は産業銀行に押し付け、個別銀行はゆうゆうと抜ける。当局は個別債権銀行の損益関係を一度くらい計算してみるべきだ。

財界ではすでに新しい金言が生じている。「馬鹿正直に資金を先に入れるな。資金を投入するほど債権団が先に持って逃げる。最後まで持ちこたえてこそ債権団が逃げず構造改革にも成功する」というものだ。海業に対する無知が生み出した法定管理の影響であるだけに誰かを恨むことはできない。法定管理を決行した人たちの中に、釜山(プサン)から米ロングビーチまでコンテナ船で何日かかかるのか、また、その過程を維持させる分厚い契約書の束を一度でもチェックした人がいるのか気になる。現在、寄港地を失って太平洋をはいかいする船だけでも54隻という。「この世とあの世の境界線をさまよう存在よ!」と葬送曲でも歌わなければいけないのだろうか。

チョン・ギュジェ主筆