韓経:【時論】迫る米利上げ…韓国は構造改革の加速を

  • 2016年8月30日

米国の利上げの可能性が浮上し、各国の緊張感も高まっている。イエレン連邦準備理事会(FRB)議長は26日、ジャクソンホールでの年次経済シンポジウムで、米国の利上げの可能性を示唆した。これに関連し、フィッシャーFRB副議長はイエレン議長の発言について年内に2回の利上げの可能性を意味すると解釈し、市場をさらに緊張させた。

米国の金利政策に影響を与える主要変数は雇用率、インフレ率、国内総生産(GDP)増加率などだ。最近の米国経済は失業率が3カ月連続で5%を下回り、新規雇用は増加し、消費中心の堅調な成長を見せている。インフレ率も1.8%と、目標値の2%に近づき、利上げの条件を満たしつつある。来月2日に発表される雇用率指標が年内の利上げを決めるキーポイントになるだろう。

今年は9月、11月、12月が米連邦公開市場委員会(FOMC)の利上げの可能性が高い時期だ。しかし11月の会議は米大統領選挙の直前であるため、事実上、9月と12月の2回の機会がある。米シカゴ商品取引所(CME)のFedウォッチによると、9月の利上げの可能性は26日に開かれたシンポジウム前と比較して21から24%に、12月の利上げの可能性は51%から57%に上昇した。このように米国の年内利上げの可能性が確実に高まっただけに、韓国も今から適切な対応策を準備する必要がある。

米国が利上げをすれば国内の海外資本が流出する可能性が高まるため国内で利上げ圧力が強まる半面、低成長から抜け出して景気を活性化させるためには金利を追加で引き下げなければいけないというジレンマに陥る。韓国銀行(韓銀)の悩みは深まるしかない。しかし中央銀行だけの力ではマクロ経済の課題を解くのは難しい。外圧にも安定的に持ちこたえる堅実な経済基礎体力が必要だ。

韓国は低い経済成長率予測値、19カ月連続の輸出不振、「人口の崖」などによる低成長の罠にはまっている。これは景気循環による一時的な問題でなく、根本的な改革がなければ解決できない構造的な問題だ。構造的な問題は通貨政策だけでは解決できず、政府と企業が共に努力しなければならない。しかし強力な構造改革には被害階層が生じる。したがっていくつかの改革を同時に推進し、構造改革の汗と結実をすべての階層が分け合うにする必要がある。例えば、労働改革を推進すると同時に二極化を解消するための所得再分配政策を施行すれば、労働者も労働改革に同意できるかもしれない。このように低成長を克服して経済の体質を改善するためには、構造改革が政治的なイシューに左右されず着実に進められなければいけない。

米国が利上げすれば最も大きな打撃を受ける部分は家計の負債だ。韓銀が発表した今年4-6月期末基準の家計負債は1257兆ウォン(約115兆円)と、前年同期に比べ11%増えた。政策当局は最近、関連問題を解決するために新しい不動産対策を通じて住宅供給量の減少、マンション集団貸出の縮小など、いくつかの政策を出した。しかしこうした対策は本当に減らすべき不良債権の管理とは距離があり、むしろ住宅市場にマイナスの影響を及ぼしかねない。不良債権を減らす案とともに、経済成長の好循環を形成する貸出は活性化させる案が求められる。

このように分野別に適切な対応策を出し、米国の利上げだけでなく対外的な衝撃を最小化できるよう韓国経済を鍛えなければいけない。今はそのような鍛練が必要な時期だ。夕立ちがくる前に適切に傘を準備しよう。

チョ・ハヒョン延世大教授・経済学